＊ ページ28
A「なんか久しぶりに食べたかも、コレ」
慧「久しぶり？そうなんだ」
3段重ねのアイスを手にした途端、強張っていた表情がみるみる緩んでいくA。慎重にスプーンを差していく表情が子どもみたいで可愛い。
.
『おとなになったらさ、一緒に食べに行こう？あの3段重ねのアイス』
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ねぇA、やっとあの日の約束、果たせたね。
.
A「…子どもの頃さ」
慧「ん？」
3段重ねの一番上…昔Aが一番好きだった、食べると舌の上がぱちぱちするやつ…を食べ終える頃、ふと彼女が口を開いた。
A「小学生くらいの頃かな？このアイス大好きで」
ふふ。知ってるよ。なんとなく俺も2段になったアイスにスプーンを差した。
A「近くのショッピングモールにもこのアイス屋さんがあってね、行くたびに食べてたな」
慧「うん」
A「でもね、3段重ねだけは、お母さんが許してくれなくてさ、お腹壊すから！って。
でもどうしても食べてみたくて、一回すっごい泣いたことある」
慧「ふふ、うんうん」
そうそう。大変だった。あの時は。
思わずくすりと笑って、向こうのテーブルにいた小学生くらいの女の子を指差した。
慧「あの子ぐらいの時？」
A「そうそう」
慧「ね」
A「あの時、大人になったら絶対、3段重ねのやつ食べるんだ！って思ってたのに、そういえばすっかり忘れてたなぁ」
慧「そっか」
昔の話をするAの表情から、さっきまでのどんよりした暗い色はすっかり抜けていた。
A「…この話前にもしたっけ？」
慧「いや？」
なんだか余計なことまで喋ってしまいそうだったので、笑ってごまかした。
.
そんなことをしているうちに、いつのまにか。
さっきの出来事でざわついた俺の心まで、穏やかになっていることに気が付いた。
Aが今、誰を好きなのかとか、それはどんな恋なのか、とか、そういうことは分からないけれど。
でも今、目の前のAを、笑顔にすることはできた。
俺にできることなんて、これくらいしかないけど。
俺の残りの時間を、そんな風に使えたらいいなって。
強がりでもなんでもなくて心から、そう思ったんだ。
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ちゃみ(プロフ) - HimawaRiさん» ありがとう〜(^^)！ここからは慧くん目線で急にファンタジー色が強めになります♪前半とはちょっと違った雰囲気を楽しんでもらえたらいいな♪私も更新のたびにドキドキ笑、しているんだけど続きもがんばります！ (2018年10月12日 0時) (
レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - 由依さん» 由依ちゃんありがとう(^^)！やっとキーマン登場させることができました笑！これからも気まぐれで他メンバーを出したいな〜と目論んでいるので、そんなところも楽しんでね♪完結までの道のり長そうだけど、続きもがんばります！ (2018年10月12日 0時) (レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)
HimawaRi(プロフ) - 移行おめでとうございます！この先どうなるのかドキドキしながら読ませていただいてます！まさかそういう形で慧くんが出てきたとは思いませんでした！更新頑張ってください〜！ (2018年10月7日 18時) (レス) id: e2fde3b226 (このIDを非表示/違反報告)
由依(プロフ) - 移行おめでとうございます。三人目のキーマンが登場しましたね☆〜どうなるのか全く予想できないし、とても楽しみです(#^.^#)続き楽しみです！更新、頑張ってください♪♪裕翔君の登場も嬉しいです(o^^o) (2018年10月7日 17時) (レス) id: 0583577ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2018年10月1日 23時
