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慧「Aみーっけ、」



グズグズと泣いていたら慧ちゃんの声がして、慌ててトレーナーの袖で涙を拭いた。



慧「これ一緒に食べよ?」




そう言って持っていたカップを差し出してくれた。中に見えたのは、私が一番好きなやつ。食べると口の中がパチパチするの。

でもなんだか素直になれず、俯いたまんまで言った。




A「…いいよ。それは慧ちゃんがママに買ってもらったやつでしょ」


慧「えー!そうだけど…」




うーん、そっかぁ、と一旦はカップを引っ込めた慧ちゃんだったけれど、
あ、と気付いて嬉しそうにまた私の方に向き直った。




慧「いーの。俺ほんとは、さっきマックでポテト食い過ぎたから、腹減ってねーし、」


A「…そうなの?」


慧「うん。ほら、あーんってして、」



口を開けたら、慧ちゃんが、すくったひと匙を私の口に入れてくれた。



慧「うまい?」



パチパチ、ほっぺの内側で弾ける音。



A「うん…、」



アイスの甘さのおかげか、慧ちゃんの優しい気持ちのおかげか、
さっきまでギスギスしていた心は、いつのまにかほっとしていて。





慧「おとなになったらさ、」



今度は自分の分をひとくち頬張った慧ちゃんが、ニコニコしながら言った。



慧「いっしょに食べに行こう?あの3段重ねのアイス」


A「おとなになったら…?」





その時、目の前を、綺麗な女の人と、背が高くてかっこいい男の人が、手を繋いで通り過ぎていって、
なんだか急に、ドキドキしてきた。




A「うん、行く…!行きたい!」


慧「ねー!好きなやつ一緒に食べよ」


A「うん!あ、1番上はこの味がいい」




慧ちゃんのカップに入ったアイスを指差す。
そうしよう、と慧ちゃんは頷いてくれた。





おとなになったら、私もさっきのお姉さんみたいに綺麗になれるかな?

慧ちゃんはその頃、かっこいいお兄さんなのかな…






.






あの後、すっかり機嫌が直って、慧ちゃんとニコニコしながら戻ってきたら、


そんな私を見て、ママが「もう、本当にAは慧ちゃんがいないとダメね」って笑っていたっけ。






胸の奥のそわそわ、むずむずした気持ちは、
こうやってどんどん膨らんでいった。

移行のごあいさつ→←◯



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧   
作品ジャンル:恋愛
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ちゃみ(プロフ) - ibuki1030さん» 全ては第5章からひとつひとつ明らかになっていきます(^^)第5章にもぜひ遊びに来てくださいね〜♪ (2018年10月1日 13時) (レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - ゆずごしょうさん» ありがとうございます(^^)移行したら第5章にもぜひ来てください♪ (2018年10月1日 13時) (レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)
ibuki1030(プロフ) - 慧くんは生き霊だったってことですか?← (2018年9月29日 16時) (レス) id: ef9b356e71 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごしょう(プロフ) - 少なくとも、慧くん亡くなってなくて良かった! (2018年9月29日 10時) (レス) id: 5f95aa5fdf (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - れもんどーなつさん» ありがとうございます!年齢を重ねて涙もろくなるのは老化ではなく、経験値が上がり感情が豊かになった証拠らしいですよ!と、薮くんばりの余談でした笑 続きもがんばります(^^) (2018年9月25日 14時) (レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年9月15日 13時

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