茜色のときめき ページ11
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A「あー、終わっちゃったぁ、」
慧「次は何見る?」
A「うーん、魔女のやつ!」
ぐー、きゅるきゅるきゅる。
アニメ映画のエンディングを聴きながら、レンタルショップの袋からDVDのケースを取り出そうとした瞬間、お腹のなる音がした。
思わず目と目を合わせる。
A「あはは、慧ちゃん、」
慧「腹減ったぁ〜」
2人の前には、空になったお菓子の袋とコップ。ちらりと時計を見上げた。
A「ママ遅いね…、」
慧「んん?大丈夫だろ、夜メシにまでは帰ってくるって言ってたじゃん」
A「うん…、」
『しんせき』の人が急に亡くなったとかで、ママは午後から隣の街に黒い服を着て出掛けていた。今日に限って慧ちゃんのママも遅番の日で、パパは毎日寝る前にならないと帰ってこない。
2年生になった私たちは、初めて、2人きりで長い時間のおるすばんを任されていた。
カーテンの隙間から漏れる光は、夕暮れのオレンジ。
ママが置いていったおやつを早々に食べ終えてしまった私たちは、床にごろりと寝転がった。
慧「寝てると腹減ってない気がする〜」
A「えぇ?そうかなぁ…」
お菓子の買い置きがないかと探したけど見つけられなくて、ため息。
私もお腹すいたな…
その時ぴん!と思いついた。
A「あ!」
そうだ!確か冷蔵庫の中に…
慧「ん?」
ぴょん!と跳ね起きて、冷蔵庫を開ける。
ドアポケットにそれを見つけて、落とさないように2つ取る。
慧「何?卵?」
A「うん!あのね、私お料理する!」
慧「へ?できんの?」
A「こないだママに教えてもらったからね〜」
すげー!と目を輝かせる慧ちゃんに、得意げに笑いかけながら、
お手伝いするときに使っている踏み台とエプロンを準備した。
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慧「ちぎればいーの?」
A「うん、そうそう」
ボールに卵を2つ割り入れて、慧ちゃんにスライスチーズをちぎりながら入れてもらう。あとは、牛乳と塩をちょっとだけ…、
混ぜている途中、殻が入っているのを見つけて、慧ちゃんがよそ見をしているすきにこっそりつまんで取り出した。
昨日の朝ごはんの時、教えてもらったスクランブルエッグの作り方。
本当はママがいないときに勝手にお料理したらだめ…だけど、いいや!
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ちゃみ(プロフ) - ibuki1030さん» 全ては第5章からひとつひとつ明らかになっていきます(^^)第5章にもぜひ遊びに来てくださいね〜♪ (2018年10月1日 13時) (レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - ゆずごしょうさん» ありがとうございます(^^)移行したら第5章にもぜひ来てください♪ (2018年10月1日 13時) (レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)
ibuki1030(プロフ) - 慧くんは生き霊だったってことですか?← (2018年9月29日 16時) (レス) id: ef9b356e71 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごしょう(プロフ) - 少なくとも、慧くん亡くなってなくて良かった! (2018年9月29日 10時) (レス) id: 5f95aa5fdf (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - れもんどーなつさん» ありがとうございます!年齢を重ねて涙もろくなるのは老化ではなく、経験値が上がり感情が豊かになった証拠らしいですよ!と、薮くんばりの余談でした笑 続きもがんばります(^^) (2018年9月25日 14時) (レス) id: 84a0c50988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年9月15日 13時