snow ＊ drop From この恋を知るまでは 2・・Kei・・

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「じゃ、来年度の委員長は増田くんに決定しました！みんな拍手〜！」


増「よろしくお願いしまーす！」



まっすーが歌うみたいに良い声で、両手をゆるーく万歳して笑った。


同期で推して、来年度から委員長はまっすーになった。
誰とも仲良しだし、信頼されてるしぴったりだな。





ミーティングが終わって、出入り口に近い所にいた1年生の集団がわーっと出て行く。




あ、伊野尾くん、行っちゃう。






A「ちょっと先に帰るね！」


舞香「あ、うん」


A「またね！連絡する！」






この後デートもあるし、その前の準備もあるし、急がないと。





1年生が出て行った出入り口から外に出た。






.







A「あれ…？」



すぐに1年生の集団に追いついたのだけど、そこに探していた青いパーカーの背中は見当たらなくて、有岡くんは1年の他の男子とおしゃべりしながら歩いていた。


おかしいな。途中で抜かしてきた？いや、そんなはずは。



くるりと向きを変えて、とりあえず引き返してみる。







.






A「…ん？」






大教室に引き返す廊下の途中、
空き教室のドアが半分だけ開いて、中に人影が見えた。




うわー、カップルがいちゃいちゃしてる、さすがバレンタイン、なんて思いながら通り過ぎようとして、近くまで来た瞬間に、心臓がどきりと大きな音を立てた。








慧「ねぇ、未央、」







青いパーカーの胸元に、女の子が顔を埋めているのが見えた。彼の体にはくるりと細い腕が巻きついて、時折震えている。
伊野尾くんは困ったような声でそっと、彼女の肩に手を置いた。







慧「泣かないで…？」









未央ちゃんと、伊野尾くん…？





どうして？2人はただの友達じゃないの？
いろんな感情が瞬時に溢れて混乱する。
ただならぬ雰囲気が流れていることを感じ取る。



これ以上、この場にいちゃいけない。
分かってるのに、地面に足がくっついちゃったみたいに、動けない。

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