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慧「へっ、今日のご飯?違う違う、2人じゃないよ」
少し体を起こした彼が私の顔を覗き込むから、綺麗な鎖骨が目に入ってどきんとする。
体の真ん中に彼の熱を残して、薄着のまま微睡むベッドの中。
ベッドの隅に丸まっていたTシャツを羽織った彼は、枕元のスマホに手を伸ばした。
嘘がつけないタイプの私は、何か言いたそうな感じが隠し切れず、
彼に問い詰められて結局、お店で立ち聞きしてしまったことを、正直に白状したところ。
慧「ほら、これ今日の」
ベッドに寝転がったまま、彼のスマホを覗き込む。ケーキを持った男の人を、ごちゃっとした人数の笑顔が取り囲んでいる。
慧「この人ね、店長さんの彼女なんだよ」
A「そうなんだ…!」
つんつん、と彼の指差す先に、あの美人なお姉さん店員が写っていた。
慧「もうすぐ店長が誕生日なんだけど、サプライズパーティーするから来てくれないかって呼ばれてさ」
A「そっ…か、」
慧「Aもバイトじゃなかったら誘ったんだけどなぁ、ちゃんとみんなに紹介したかったし」
みるみる肩に入った力が抜ける。
なんだ、モヤモヤぐるぐるしてないでもっと早く聞けばよかった。
慧「ん…?もしかしてA、」
スマホを枕元に放った彼は、そのまま枕にぽすんと頭をつけて、私の方に体を向けた。
慧「なんか今日元気ないなぁと思ったのってそのせい…?」
A「う…、うん…」
あーあ、重い女発揮しちゃった…
付き合って早々、めんどくさいって思われたかなぁ。
しゅん、と気持ちがしぼんで、彼の目を見れない。
慧「えー!」
突然、彼がごろん!と壁側に勢いよく寝返りを打って背中を向けた。
慧「それってさぁ、」
A「ん…?」
突然の彼の行動にちょっと戸惑う。
背中越しに聞こえてくる声はなぜか少し弾んでいる。
彼は私に背を向けたまんまで続けた。
慧「2人で行ってたらやだなぁ…とか、心配になっちゃったの?」
A「……うん、そう…なの」
慧「ヤキモチ!?」
A「え?う、うん…ちょっと…」
慧「えー!」
勢いをつけて彼がこちらに向き直った。と思ったら間髪入れずにぎゅーっと抱きしめられる。
慧「ごめんね、心配させて」
A「ちが、…慧、くんは悪くないよ」
慧「えへへへへへ」
…なぜそこで笑う…!
慧「ごめん、にやけちゃう俺」
A「へっ…?」
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もこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!最初から最後までずっとキュンキュンしてました!もうちゃみさんの書く伊野尾くんに恋しちゃってます(*/□\*)特に最後の更新は胸が痛いくらいでした!そして未央ちゃんも幸せになれそうでよかった!次回も楽しみにしてます! (2018年4月23日 7時) (レス) id: 3c654b5b82 (このIDを非表示/違反報告)
不眠症の羊(プロフ) - ご無沙汰です!完結おめでとうございます。ちゃみさんらしいちょっと切なさも含んだ後のあまきゅん!(∩´∀`∩)平和で幸せなラストをありがとうございました。疲れた身体と心が癒されました。 (2018年4月22日 9時) (レス) id: 5d3f6da0fa (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - あー!面白かった!はじめまして、だと思います。スローモーションの作者の方なんですね。あのお話もとっても面白かったです。そして、このお話、毎回楽しみに待ってました。幸せな気分なれて最高です。次のお話も楽しみにしてますね! (2018年4月19日 23時) (レス) id: f16f966fcc (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 完結おめでとうございます。とても面白かったです!最高過ぎました☆これからも応援しています(^^) (2018年4月19日 22時) (レス) id: 0583577ad2 (このIDを非表示/違反報告)
ねごと(プロフ) - 待ってました!素敵なお話でとてもとても毎回楽しみにしてました!ほんとうに大好きな作品です....こんな素敵な作品を書いてくれたちゃみさん!ありがとう! (2018年4月19日 21時) (レス) id: a5461549d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年3月23日 23時