ナイトクルージングLAST・・Kei ＊ Ryosuke・・

＊ ページ32

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『だめだよ、俺なんかといたら、



…幸せに、なれないよ』







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いつか、あなたにそう言われた。

その言葉は案外ずっと、心の奥に引っかかっていたんだ。






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待つだけの長く苦しい恋に深く傷付いて、

どこか、幸せになることに臆病になっているように見えた彼の口から、





躊躇なく自然に、『幸せ』の言葉が出たことが、堪らなく嬉しかった。




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慧「おーい、聞こえる？」



A「まだ聞こえないでしょ」



慧「いーんだよ、こういうのは雰囲気が大事なんだから、」





彼は床に膝をついて、ベッドに腰掛けている私のお腹に顔を埋めた。





慧「よかったね、お前のかーちゃん超可愛いよ、」





A「ふふ、」





慧「ちなみにとーちゃんは超絶イケメンだよ、」





A「うわ、自分でハードル上げた、」





慧「うっせ、」









ひとしきり二人で笑い転げて、笑い声が途切れた隙間に、





とびきり優しい囁きが聞こえた。











慧「待ってるからね、こっちの世界は楽しいよ」









彼の声がおへその辺りに当たって少し、くすぐったい。
思わず彼の、柔らかい髪をくしゃりと撫でた。









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『幸せ』を掴みたくて、必死でもがいていたあの頃。






だけど彼と会うことで知った。






掴みになんかいかなくていい。気付くだけでいい。
いつもすぐ側に、たくさんの『幸せ』は落ちている。









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A「ねぇ、慧」







慧「ん？」







顔を上げた彼の、おでこの辺りにキスをした。









A「私も今、幸せだよ」









一瞬、きょとん、と私を見つめた彼は、









慧「…そっか」









すぐに目の端っこをくしゃくしゃにして、とびきり嬉しそうに笑った。









______night cruising another STORY しあわせのかたち。 fin…♡






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ありがとうございました♡

また新作でお会いしましょう！


ちゃみより(๑˃̵ᴗ˂̵)

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