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night 126 ページ47

慧「ねぇ、今日はこっち向いてよ、」





ベッドに入って、いつもみたいに彼に背中を向けて横になったら、

少し甘えたような声がしたから、たまらなくなってごろん、と向きを変えた。





いつもみたいに半分だけ開いたブラインドから、うっすら、月の明かりが部屋に差し込む。






伸びてきた腕が私を柔らかく包んで、
暖かくて、心地よくて、そのまま目を閉じた。






慧「…そういえばさ、今更だけど」


A「…ん?」


慧「最近けっこう上手くいってるんじゃない?あいつと、」


A「え…、」



慧「高木が言ってたよ、楽屋でイチャイチャしてたって」




あぁ、今日の、あの時のことか。




A「あれは、イチャイチャっていうか、事故…っていうか、」





私に聞きたいことがある、と言っていた涼介の目は、真剣だったようにも、感じた。





A「どうなのかな…よく分かんない」



慧「ここに来るの、都合悪くなったら言ってね?」






布団の中、私の手を探り当てて、彼が指を絡ませた。






慧「あの夜の写真ね、…とっくに消した」


A「え…?」


慧「ついでに言うと、…最後までいってないから、あの時、」


A「そうなの…!?」






思わず閉じていた目を開けたら、
そんな私を見て彼が、可笑しそうに笑った。






慧「ふふ…ほんとなーんも覚えてないね、」






A「うん…途中からなんにも…、」







月明かりが私たちを、柔らかく照らす。
彼の瞳が私を覗き込んだ。







慧「…だから安心して?あの夜は、何も起こってないし、」



慧「あいつと上手くいってるんだったら、もうここには、」



A「慧、」






なんだかもうたまらなくて、気が付いたら思わず声をかけていた。







A「何も、考えなくていいよ、」




A「今日はもう、休もう…?」







ただただ、目の前にいる優しすぎるこの人に、


穏やかな時間が訪れてほしいと、願った。






慧「ん…」





一度大きく深呼吸をした彼はそれきり、目を閉じた。





.







やっぱりこの関係には、どうしても名前を付けられそうにない。


ただ傷付いて、疲れて、肩を寄せ合って、一緒にいるだけの2人だった。








手を繋いで眠ったその夜、







繋いだ指先から伝わる温度が心地良かったことは、







今でもずっと、覚えている。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 山田涼介   
作品ジャンル:恋愛
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まーちゅ - すごく上手ですね、とっても面白いです!がんばってください! (2017年10月16日 23時) (レス) id: e40a6ac71b (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 伊野ちゃんが、かっこよすぎます!スローモーションとは、違う感じの伊野ちゃんが出ていて最高です。これからも応援しています。(伊野尾担です(o^^o)) (2017年10月13日 16時) (レス) id: 0583577ad2 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - 切なくてきゅんとしました!表現のしかたが好きです!応援してます! (2017年10月11日 22時) (レス) id: 4c06eb038c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 毎回見てます!大好きです!これからも頑張ってください!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 32c992ad4d (このIDを非表示/違反報告)
いのちぇり(プロフ) - ほんまに大好きすぎて。。。毎日毎日更新楽しみにしてます! (2017年10月2日 19時) (レス) id: 54a3978f9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年9月17日 18時

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