ナイトクルージング3・・Kei ＊ Ryosuke・・

night 108 ページ29

相「わ、雨降ってきちゃいましたね。傘あります？」


「もう？夜遅い時間からって予報だったのにねぇ、」


相「良かったらこれ使ってください」


「あら、ありがとう」



今日最後の予約は、近所に住む常連さん。
相葉さんがニコニコと常連さんにビニール傘を渡した。





カウンターのすぐ下で眠っていた豆柴のニノが目を覚まして、しっぽを降ってお客さんを見送る。





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相「雨すごいわ。明日はもっとひどくなるかな、」



エントランスに鍵をかけ、札をopenからcloseにひっくり返した相葉さんが、ニノと一緒に店内に戻ってきた。




A「台風でしたっけ？」



相「んー、強いらしいね。あ、明日の予約って何件入ってるっけ？」



A「明日少ないんですよ、確か、」




レジカウンターの横、予約表のファイリングを広げてみる。




A「10時からカットで倉持さんと、15時からカットカラーで杉本さんですね」


相「どっちもおばぁちゃんだな…足元危ないよね」





倉持さんと杉本さん。2人もお店のすぐ近くに住む常連さん。


相葉さんは腕だけじゃなくて人柄も良いから、いつの間にか地域に溶け込んで、幅広い年齢のお客さんが来るようになっていた。





相「うーん…」





ニノを膝に乗っけて、スマホの気象情報としばらくにらめっこしていた相葉さんは、






相「うん、やっぱり明日、休みにしちゃえ」



A「え、」






ふわーっと笑って頷いて、ニノを抱っこしたまんま、お客さまに電話をかけはじめた。

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