memory (6) ページ1
『涼介、おはよう
昨日、電話が来て、
春から相葉さんのお店で働くことが正式に決まったよ
涼介は元気?
体調崩してない?
連絡待ってます。』
.
一昨日送ってから1度も既読のついていないそのメッセージをスクロールしながら、ため息をついてぬるくなったミルクティーを飲み干した。ただ甘ったるくて、香りなんか少しもない。
涼介と連絡が取れなくなって、今日でちょうど、1ヶ月。
ランチタイムを少し過ぎた学校に併設されているカフェは、人影もまばら。
「Aー!」
入り口の方、私を呼ぶ声がして振り返った。
A「圭人、」
圭「おめでとう!」
A「へ?」
私の隣に座った圭人は、何だか今にも泣き出しそうな赤い瞳を潤ませて、
私の両手を取ってぶんぶんと振った。
圭「さすがやまちゃんだよね!俺、やまちゃんならできるって信じてたんだ…」
あ、泣き出した。
A「えっと…」
圭「あ…なんかゴメンね、俺自分のことみたいに嬉しくて、」
言いながら彼は手の甲でそっと涙を拭った。
A「あのさ、圭人、」
圭「あ…そうか、でもA達、遠距離恋愛になっちゃうね?」
A「…え?」
圭「あ!もしかしてAも一緒に行くの?」
A「ねぇ、圭人、」
圭「そうか…2人ともいなくなっちゃうのはちょっと寂しいな…」
A「ねぇちょっと!」
静かなカフェに私の声がやけに響いた。
圭人が目をまん丸にして私を見つめた。
圭「ん…?どうしたの?」
A「ごめん…何言ってるか全然、わかんない」
圭「え…?」
A「涼介が、行っちゃうってどこに…?何の話…?」
言いながら、みるみるうちに視界は歪んでいって、
そんな私を見て圭人は、途端にオロオロし始めた。
圭「え…A、やまちゃんから聞いてないの…?」
A「何を…?」
空っぽになったミルクティーの紙コップを、思わずぎゅっと握った。
圭「だから…やまちゃんの留学が決まった話、」
A「…留、学?」
.
思いも寄らない言葉に、全ての思考が一旦ストップした。
私、何も知らなかった。
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まーちゅ - すごく上手ですね、とっても面白いです!がんばってください! (2017年10月16日 23時) (レス) id: e40a6ac71b (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 伊野ちゃんが、かっこよすぎます!スローモーションとは、違う感じの伊野ちゃんが出ていて最高です。これからも応援しています。(伊野尾担です(o^^o)) (2017年10月13日 16時) (レス) id: 0583577ad2 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - 切なくてきゅんとしました!表現のしかたが好きです!応援してます! (2017年10月11日 22時) (レス) id: 4c06eb038c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 毎回見てます!大好きです!これからも頑張ってください!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 32c992ad4d (このIDを非表示/違反報告)
いのちぇり(プロフ) - ほんまに大好きすぎて。。。毎日毎日更新楽しみにしてます! (2017年10月2日 19時) (レス) id: 54a3978f9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年9月17日 18時