night 83 (R) ページ44
涼「うっま、」
適当に頼んだメニューは全部当たりだった。
イタリアンがベースの、創作料理のダイニングバー。
リリ「おいしいですね〜!」
ニコニコと愛想よく相槌を打つ彼女は、さっきからちびちびとしか食べていない気がするけれど。
涼「ここのお店って誰が選んだの?」
リリ「あっ、今日は私が選びました」
涼「さすが。女の子が好きそうだよね、この感じ」
店内のインテリアも、派手さはないけど落ち着いていて、間接照明の柔らかい光が心地よくて、
この感じはAが好きそう。
約束の店、ここにしようかな。
.
リリ「…山田さんは、」
そんなことを考えながら店内の雰囲気をぼんやりと見ていたら、
少し沈黙が続いた後、彼女がぽつりと呟いた。
リリ「ここに一緒に来たいな、って思うような女の子っているんですか?」
涼「ん…?」
リリ「あ、いや、」
カラーコンタクトの入った、ガラス玉みたいな瞳が微かに揺れた。
リリ「すごく優しい顔してたから、誰のことを考えてるのかなって」
涼「あぁ、ごめんごめん、ぼーっとしてた」
やばい。ちょっと酔ってきたかな。
手元の汗をかいたグラスはまだ半分しか減っていないけれど。
リリ「彼女さんですか?」
涼「違う違う、」
慌てて手を振って、苦笑い。
涼「ちょっとね、アシスタントの子に借りを作っちゃって…飯奢るって約束しててさ、この店もいいかも、なんて、」
言い訳のつもりがついべらべらと喋り過ぎてしまった。
やっぱり、思ったより酔ってるかな。
今日はもう飲むのはやめとこ。
リリ「あ…今日もいましたよね、かわいい子!仲良しなんですね、」
涼「まぁ、学生時代からの付き合いだからね」
リリ「へぇ…」
そのまま彼女は手元のグラスに目線を移して手に取ったと思ったら、
くい、とそれを一気に傾けた。
カラリ、と氷がグラスの中を踊る。
リリ「ふぅ、」
コトン、と音を立ててグラスにテーブルを置いた彼女は、さっきよりとろんとした笑みを浮かべた。
リリ「山田さん、次、何飲みますか?」
涼「あ、じゃぁ俺ウーロン茶にしようかな、」
リリ「……。」
返事がなくて、思わずメニューから顔を上げたら、
それに合わせるみたいに彼女は再び笑顔を作った。
リリ「じゃ、リリは飲んじゃお」
涼「ん、何にする?」
なんかこの子、酔わせたらめんどくさそう。
本能的にそんな気がして、なんとなく腕時計に目を移す。
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いのみづちゃん(プロフ) - ちゃみさん!!!ほんとに毎回素敵な作品です!!!スローモーションの時もとっても感動出来ました!!!前と違って誰とどーなるっかっていうのもめっちゃ楽しみです!!!ずっと応援してます!!!毎回素敵な作品ありがとうございます!!!次回更新も楽しみです! (2017年8月25日 21時) (レス) id: db022ebb15 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - りょんたです!伊野尾くんside素敵でした…(>_<)どうして高評価ボタンは1度しか押せないのでしょう…続き楽しみにしてます♪無理なさらず! (2017年8月19日 23時) (レス) id: 1b9ac09fc1 (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます!!! めちゃくちゃ面白いです!!! (2017年8月19日 12時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 占ツクてわ一番好きな作品です!更新楽しみにしてます!がんばってください! (2017年8月18日 18時) (レス) id: 1e997993f4 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 山田くんと伊野尾くん2人とも何か企みがありそうで1話1話楽しみに読んでます!!更新頑張って下さい!! (2017年7月24日 22時) (レス) id: e93f4a73ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年7月17日 17時