night 81 ページ42
慧「ねー、A」
ソファの上、クッションを抱っこして、ドラマに夢中になっていたら、
いつの間にか猫みたいに私の膝の上でごろん、としていた慧が、掠れた声で名前を呼んだ。
A「ん、今いいとこなの、」
慧「寝よーよ…、」
お風呂上がり、すっぴんにこないだとおんなじ慧の部屋着。
色気も何にもない格好だけど、もう彼の前ではあんまり気にしなくなっている自分がいた。
A「先寝てていーよ、」
慧「やだ、」
リモコンに手を伸ばした慧が、ぱちん、とテレビを消した。
A「あ！ちょっと！」
慧「これ録画してるからぁ、明日見てから帰ればいいじゃん…」
そういうと、立ち上がった彼は私の手を引いて、リビングの電気を消した。
１人で寝てればいいのに。なんだか時々この人は、小さい子どもみたいになる。
でも内心、ちょっと可愛いじゃん、なんて思っている自分もいたりして。
.
A「明日は早い？」
慧「んとー、6時半に高木が来て、７時半入り…」
A「わ、まぁまぁの早さ」
返事の代わりにふわぁ、とあくびがひとつ。
こないだと同じ、抱き枕みたいな抱っこ。
長い手脚が背後から、私を優しく包む。
ふわふわとあったかくなってきて、私の瞼もずん、と重くなる。
.
慧「…また泣きたくなったらさ、」
A「…ん？」
あと少しで眠りに落ちそうなその時に、
小さくそんな声がした気がして、なんとか返事をする。
慧「いつでもおいでよ、ここに…」
A「ん…」
ほんと？
いつでも来ていいの？
彼の手指がそっと私の手を包んで、
その指を絡ませて、きゅ、と握ってくれたような気がしたけれど、
すぐにふわふわとあったかい眠りの中に落ちていったから、それが夢だったのか現実なのか、
よく分からないうちに、夜は更けていった。
.
up & down…
up & down…
『…俺なんて、』
眠りに落ちる寸前、なぜか思い出したのは、
slow first
stay toghether…
『全然相手にされてないよ、』
いつかのロックバンドが歌っていたメロディーと、
ため息交じりのあなたの、少し寂しそうな背中。
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いのみづちゃん(プロフ) - ちゃみさん！！！ほんとに毎回素敵な作品です！！！スローモーションの時もとっても感動出来ました！！！前と違って誰とどーなるっかっていうのもめっちゃ楽しみです！！！ずっと応援してます！！！毎回素敵な作品ありがとうございます！！！次回更新も楽しみです！ (2017年8月25日 21時) (
レス) id: db022ebb15 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - りょんたです！伊野尾くんside素敵でした…(>_<)どうして高評価ボタンは1度しか押せないのでしょう…続き楽しみにしてます♪無理なさらず！ (2017年8月19日 23時) (レス) id: 1b9ac09fc1 (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます!!! めちゃくちゃ面白いです!!! (2017年8月19日 12時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 占ツクてわ一番好きな作品です！更新楽しみにしてます！がんばってください！ (2017年8月18日 18時) (レス) id: 1e997993f4 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 山田くんと伊野尾くん2人とも何か企みがありそうで１話１話楽しみに読んでます！！更新頑張って下さい！！ (2017年7月24日 22時) (レス) id: e93f4a73ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2017年7月17日 17時
