ナイトクルージング2・・Kei ＊ Ryosuke・・

night 76 ページ37

ピンポーン…






フラフラとりあえず辿り着いた1622号室の前。
なかなか家主が出てこなくて、呼び鈴を連打。






ピンポンピンポンピンポーン…





慧「わぁ、分かった今出るから、」




ドアの向こう、バタバタと慌てた足音。





もうここになんか来るつもりなかったんだけど、
気が付いたらタクシーに乗っていて、
気が付いたらこの部屋のドアの前だった。







ピンポンピンポンピンポン…







不意にガチャリ、とドアが開いて、
いつの間にかそれに寄りかかっていた私は倒れ込むように玄関に入った。







慧「わ、ちょっと、大丈夫？」


A「何がぁ？」


慧「うわ、酔っ払い、」





気が付いたら彼の薄い胸元にぐい、と寄りかかっていた。むに、っていう感触。





A「別に酔っ払ってないし、」



慧「…コレ全部飲んだの？」




私が持っていたコンビニの袋を覗いて、呆れたみたいに彼が言う。





A「へ？１つ残しといたよ？慧の分、」


慧「ちょ、っと待って、靴脱いでから、」


A「んん？あれぇ、ごめん、」






いつの間にか玄関を通り過ぎていて、とりあえず座り込んでスニーカーを脱ぐ。






A「あれ？えーっと、」


慧「何、どーした、」






絡まった靴紐がどう頑張っても解けない。
そんな私を見て慧は、くすくす笑って隣に座る。







A「…脱げない。」


慧「ふは、どーしちゃったの今夜は、荒れてんね」








笑いながら彼は、私の足からスニーカーを引き抜いた。

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