night 65 (K) ページ27
今日は海の向こうのステージに初めて立った彼女のお祝いだから、いつものホテルの、いつもと違う部屋。
特別なことがあった日だけ取ることにしているスイートルーム。
シャワールームからご機嫌な鼻歌が聴こえてくる。
いつだって無邪気で、永遠に少女のような人。
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トモカ「ふぅ、お待たせ、」
バスローブを羽織ってシャワールームからにこにこと現れた彼女は、いつもみたいに俺にドライヤーを手渡して鏡の前に座った。
トモカ「ね、今日もお願い、」
慧「はいはい、」
なぜだか分からないけれど、彼女は男に髪を乾かしてもらうのが好きらしかった。
いつだってそうだからもうすっかり慣れてしまって、今では俺もけっこう、この時間が好きだった。
これをしてるってことは、まだまだ夜が始まったばっかりってこと。まだまだ一緒にいられるってことだから。
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慧「そろそろいいかな、」
トモカ「慧って女の人の髪の毛扱うのが本当に上手だね。プロの美容師さんみたい」
慧「それは言い過ぎでしょ、」
慧「あ、」
何気なく見た鏡越し、彼女の左手の薬指に銀色の輪っかが光っているのが見えて、ドライヤーを消した。
トモカ「ん?」
慧「俺の前ではこれしないって約束、」
トモカ「あぁごめん、忘れてた」
悪びれもせずにこりと笑う彼女の左手から、無言でその輪っかを抜いて、机に置いた。カチャリと響く、無機質な音。
慧「ねぇ、こっち向いて」
トモカ「んー?」
彼女の前ではいつだって大人ぶっていたかったけれど、先に余裕がなくなるのはいつだって俺の方。
くるりと振り返った唇にかぶりつくみたいにキスをした。
トモカ「慧、ちょっと待って…、」
慧「待てない」
トモカ「ん…!」
ずるずるとベッドになだれ込んで、彼女のバスローブの腰紐に手をかける。
.
肌の触れ合う面積が増えるたび、少しずつ鼓動も呼吸も速くなっていく。
耳元に聞こえる甘い吐息。
慧「ねぇ、」
トモカ「ん…、」
慧「…俺のこと好き?」
トモカ「ん…?ふふ、ど、したの」
慧「言ってよ、ちゃんと、」
トモカ「好きだよ、私は慧が、大好き…」
言葉が終わるか終わらないか。
彼女の腰骨を掴んで強めに引き寄せた。
瞬間、言葉は悲鳴のような甘い声に変わる。
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このまま時間が止まればいいのにって願いながら、
慧「トモカ…、」
慧「…んっ、好き…、」
ただ君に溺れていく。
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いのみづちゃん(プロフ) - ちゃみさん!!!ほんとに毎回素敵な作品です!!!スローモーションの時もとっても感動出来ました!!!前と違って誰とどーなるっかっていうのもめっちゃ楽しみです!!!ずっと応援してます!!!毎回素敵な作品ありがとうございます!!!次回更新も楽しみです! (2017年8月25日 21時) (レス) id: db022ebb15 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - りょんたです!伊野尾くんside素敵でした…(>_<)どうして高評価ボタンは1度しか押せないのでしょう…続き楽しみにしてます♪無理なさらず! (2017年8月19日 23時) (レス) id: 1b9ac09fc1 (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます!!! めちゃくちゃ面白いです!!! (2017年8月19日 12時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 占ツクてわ一番好きな作品です!更新楽しみにしてます!がんばってください! (2017年8月18日 18時) (レス) id: 1e997993f4 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 山田くんと伊野尾くん2人とも何か企みがありそうで1話1話楽しみに読んでます!!更新頑張って下さい!! (2017年7月24日 22時) (レス) id: e93f4a73ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年7月17日 17時