night 51 ページ13
A「ふぅ…、」
うちとは比べものにならない広い湯船。
思わずのびのびと足を投げ出して、ふにゃふにゃの声をひとつ。
一日中働いてくたくたになった体と心に、あったかいお湯が沁みる。
…じゃなくて、
私、何やってるんだろう。
1度しか会ったことのない男の人の家に上がって早々に、お風呂の入ってまったり、だなんて、
冷静に考えたらやっぱりどうかしてる…!
.
『約束する。ここに君が来てくれたら、俺は君に何もしない。ただ一緒に朝まで過ごせればそれでいい。』
.
あの時彼はそんなことを言っていたけれど、この状況じゃ何されても結局、文句言えないじゃないか。
っていうかもう、涼介とは会ったのかな。
私のこと、本当に秘密にしてくれているんだろうか。
絶対言わないで下さい、って釘を刺したいところだけど、それじゃ『涼介』が誰かって認めてることになっちゃうじゃん…。
慧「ねーぇ、」
A「ふぇ!?は、はいっ、」
すっかり物思いに耽っていた私は、磨りガラスのドアの向こうから聞こえる彼の声で我に返った。
慧「湯加減いかがすか、」
A「あ、いい感じです…」
慧「俺も入ろかなー、」
A「は!?」
慧「ふは、冗談だってば」
ドアの向こうに彼の笑い声が響く。
慧「部屋着置いとくね、ごゆっくり〜」
A「あ、」
あっという間に脱衣所のドアが閉まって、再び静寂が訪れた。
.
伊野尾さんが置いていってくれた部屋着は、ゆるっとしたTシャツとスウェットパンツで、当然だけど彼のサイズで小柄の私には少し大きい。
華奢に見えるけど、ちゃんと男の人なんだなぁって、変なところでちょっとだけドキドキする。
A「あれ、」
こないだみたいに開けた洗面所の棚の中。
ずらりと並んだブランド物のスキンケアのラインは、この前より少し、中身が減っているように見えた。
A「再び、お借りします…」
そりゃそうか。
私みたいに呼び出されてホイホイやって来る女が、きっとあと何人もいるんだ。
…自分をしっかり持たなきゃ。
私は彼女達とは違うんだから…!
鏡の中のすっぴんの自分と思わず、睨めっこしながら決意する。
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いのみづちゃん(プロフ) - ちゃみさん!!!ほんとに毎回素敵な作品です!!!スローモーションの時もとっても感動出来ました!!!前と違って誰とどーなるっかっていうのもめっちゃ楽しみです!!!ずっと応援してます!!!毎回素敵な作品ありがとうございます!!!次回更新も楽しみです! (2017年8月25日 21時) (レス) id: db022ebb15 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - りょんたです!伊野尾くんside素敵でした…(>_<)どうして高評価ボタンは1度しか押せないのでしょう…続き楽しみにしてます♪無理なさらず! (2017年8月19日 23時) (レス) id: 1b9ac09fc1 (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます!!! めちゃくちゃ面白いです!!! (2017年8月19日 12時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 占ツクてわ一番好きな作品です!更新楽しみにしてます!がんばってください! (2017年8月18日 18時) (レス) id: 1e997993f4 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 山田くんと伊野尾くん2人とも何か企みがありそうで1話1話楽しみに読んでます!!更新頑張って下さい!! (2017年7月24日 22時) (レス) id: e93f4a73ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年7月17日 17時