結婚の条件５６ 〜flashback〜 ページ50
夜も明け始めた頃、ようやく車が止まった
山に囲まれながらもﾋﾞﾙが立ち並ぶ小都市
ｿｳﾙから何時間もかかる南下のところにあった
ﾕﾉ「俺の故郷…光州だ…」
そう呟くとゆっくり車を動かし
慣れた道を走らせると少し荒れかけた廃工場の前に止まった
そして車から降りその敷地の中へ入っていった
A「ﾕﾉ…」
ﾕﾉ「…昔、ここは父の工場だった…経営が上手くいかなくなって手放すことになった時、俺はまだ小学生の子供だった…そのことを知ったのは中学に入ってからだ…」
無表情の中にも見せる悔しげな表情を見せながら工場を見つめていた
私が返事をしなくても構わず話を続ける
ﾕﾉ「父が俺を連れてｿｳﾙ来たのはｿｳﾙで職を見つけるためだった。そんな父をいろいろ助けてくれたのがAのお父さんだったんだ…光州からｿｳﾙまで出てくるのがやっとでﾎﾃﾙどころかご飯代すら出せない父を家に泊めてくれ、ご飯まで食べさせてくれた。お父さんもお母さんも俺達親子に優しくしてくれた…何も知らない俺を不憫に思ったのか服を買ってくれたこともあった…唯一心を開いてくれなかったのはお前だけだった…そんなに嫌いだったのか？俺が…」
心を開かなかったのは事実だ
けどそれはﾕﾉが嫌いだったからじゃなく
どこにいても【異国人】扱いされ
また慣れない自分が嫌いだった…
ﾕﾉ「A」
私を見つめる
ﾕﾉ「お前は否定するかもしれないが俺にとってお前は運命の相手…あいつよりもずっと絆が深いと信じてる…」
ﾕﾉの顔が近づき唇が重なった
ーﾕﾉの要求に応えて…ー
ﾁｬﾝﾐﾝの声が何度も頭の中で繰り返される
その声に従うように目を閉じた
・
・
『ﾁｬﾝﾐﾝ…遅いわね』
『ｵｯﾊﾟ彼女と会ってるんでしょ？もうすぐ入隊するんだもん、別れを惜しんでるんだよ…』
夜が明ける数時間前
ﾎﾃﾙを後にした車は海岸沿いを走っていた
ﾁｬﾝﾐﾝ「…」
心を無にしようとしてもAとﾕﾉが頭から離れない
ﾁｬﾝﾐﾝ「忘れろ…忘れるんだ…っ！」
徐々にｱｸｾﾙを踏む力が強くなる
迫る対向車にも気づかないくらい上がるｽﾋﾟｰﾄﾞ
そして車がｶｰﾌﾞに差し掛かかった時ようやく気づいた
ﾁｬﾝﾐﾝ「うわあぁーっ！？」
ｷｷｷｨｨｯ？！
対向車を避けようとして切ったﾊﾝﾄﾞﾙはｶﾞｰﾄﾞﾚｰﾙを突き抜け
『Aっ！！』
海へと墜ちていった…
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bubu - リナさん» こんな私の話に感情移入までしていただいて恐縮です(>_<) (2014年4月27日 21時) (
レス) id: b2d99be856 (このIDを非表示/違反報告)
リナ - bubuさん» 返信ありがとうございます！3章も読まさしていただきました(*^o^*)ちょっと涙が出ちゃいました…完全に感情輸入しちゃっます(^^;;あと、極悪ユノさんもなかなかイイですね笑 (2014年4月26日 19時) (レス) id: 5fbef72eec (このIDを非表示/違反報告)
bubu - 愛絵理さん» その未来の前にまた、平安時代に戻ります。そのあとのことはクライマックスに… (2014年4月23日 3時) (レス) id: 77f6b33417 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - のこさん» こんなことに…っ！ (2014年4月23日 3時) (レス) id: 77f6b33417 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - 裕さん» ホンマです… (2014年4月23日 3時) (レス) id: 77f6b33417 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bubu | 作成日時：2013年12月7日 18時
