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epilogue............................ ページ47

「チャンミン、私ちょっとお土産見てくるね」
「時間大丈夫ですか?」
「まだフライトまで1時間あるもの。大丈夫よ。何か必要なものある?」
「うーん…特に何も」
「了解〜すぐに戻るね」
「本当に一人で大丈夫?」
「子供じゃないもの、大丈夫よ」





久しぶりの福岡を満喫した私たち。

蒼くんの件は驚いたけど

もしかしたら ほんの少しだけわだかまりのようなものが残っていたのかもしれない。

妙にスッキリした気分で韓国へ帰れそうだ。





「ユノくんこれ好きだったよね…」





ユノくんへのお土産を買って

チャンミンが待つラウンジへ向かう。





「あれ…どこ行ったのかな」





荷物はすでに預けているのだから

きっとトイレにでも行っているのだろう。

ベンチに座って インスタグラムを開く。

最新のタイムラインに

公にしていないチャンミンのアカウントを見つけた。





「いつの間に…」





さっきまでここから見えていた夕方の太陽

色鮮やかな空と 放射線状に差す光





-All of me.





まるで

チャンミンの大きな腕に抱きしめられているような気がした。





『A?戻ってる?』
「うん、どこにいるの?」
『妹たちのお土産忘れてた』
「あ、大変…」
『大丈夫、適当に買ったから戻るね』
「はーい」
『A』
「ん?」

『…好きだよ』





切れた電話

あたりを見渡しても

彼らしき人はいない。

どれだけ 遠くの売り場に行ったのだろう。





今は少し紫に近い空を眺めていた。

All of me.

チャンミンが好きだといったあの歌。

この写真を撮った時も

きっとあの歌を聴いていたのだろう。






「Aさんですか?」






後ろからその声が聴こえた時

心臓が 飛び跳ねそうだった。

ゆっくり振り向くと

知らない女の人が立っていた。

とても 焦っているように見えて

胸騒ぎがした。





「大変です、チャンミンさんが」
「チャンミン?」
「とにかく来てください」





次の瞬間には

もう走り出していた。

この空港にこんな場所があったなんて

言われるがままに駆け下りる階段

転びそうになるけど

胸騒ぎが収まらなくて

足を止められない。





「Aさん」
「あの…チャンミンは」
「…消えて」
「え…」





『A、愛してる』





ゆっくり

とても ゆっくり

さっきの女の人を逆さまに見ながら





-そして 目の前が真っ暗になった。




-to be continued.

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作成日時:2017年3月5日 12時

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