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042:決戦の時 CM ページ43

日本へ着いて早々に

Aはお母さんと待ち合わせしてるからと出掛けて行った。





「マネージャー、僕今日は彼女とごはん食べます」
「了解〜」





昔は想像も出来なかったけど

もうこういう事が許される年齢というか

まぁ…婚約者だからかもしれないけど

今まで感じてきた息苦しさが嘘のようだ。





時間まで当たり前にスケジュール熟して

気付いたらあっという間に19時半を過ぎていた。

もしかしたらあの男も早めに来ているかもしれない…

そう思い立った僕は

約束の時間より少し早くレストランに着いた。

彼は予想通り

窓際の席に座って誰かと電話している。

僕はわざと隣の席に座った。





「シム様久しぶりですね」
「こんばんは」
「個室開いてますよ?」
「ううん、恋人が夜景を楽しみにしているから」
「そういえば婚約なさったそうですね、おめでとうございます」
「ありがとうございます」





ちょうど電話を終えた【蒼くん】が

ちらりと僕を見た。

光栄な事に 彼は僕を知っているようだ。





「あの…もしかして…」
「はい」
「東方…神起の…方ですよね?」
「ああ、はい」
「うわ!やっぱりそうだ!!すごいこんなところでお見掛けするなんて」
「ああ…ははは」
「すみません突然声かけてしまって…」
「いえ、構いませんよ」





人懐こい笑顔

きっと心の底から悪い人ではない

【蒼くん】





「しかし目の前で見るとテレビで見るよりすごいオーラですね」
「そんな…大したものでは」
「あ、スミマセン…ベラベラ話して…誰かとお約束ですよね」

「はい、婚約者と待ち合わせです」





きっとA自身

もう彼の事など微塵も恨んではいないだろう。

だけど

この期に及んで 昔の彼女に手を出そうとしている

欲求に素直な彼を野放しにはできない。





「ご結婚されるんですか…?」
「はい、あ…」





ちょうど20時ぴったりに

Aがレストランの入り口に見えた。

僕に気付いて手を振っている。

彼は僕の視線の先を見て

咄嗟に勘違いしたのか

Aに手を振り返した。





「え………どうして…?」





そしてAは

婚約者と元彼の組み合わせという

この異様な光景を前に

思いっきり不可解な顔をした。





【蒼くん】は

久しぶりの元カノとの再会に

嬉しそうに顔を綻ばせた。

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作成日時:2017年3月5日 12時

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