特別な赤色(🍎‪) (ページ10)

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🍎9 〜araki side〜ページ10

普段通り最寄りのコンビニに寄ってから帰ろうとすると…
ダッシュで走って入ったかと思いきやすぐに入り口近くで座り込むお客さん。

なんか只事じゃなさそうで、

『あの、大丈夫すか？』

気づいたら声をかけていた。

「な、なんでもないです！」

一瞬顔を見上げたがすぐに下を向いてしまう。
あれ？でも見たことあったような…
その一瞬で俺が最近気になってる人って気づいてしまった。

新人だからっていつも誰よりも早く準備してて、他のスタッフさんが気づかないことまで気づいてくれて、笑顔が素敵な人。
だから印象に残ってた。

『…あれ？和泉さん？』

「へ！？」

『俺、あらきっす』

あぁそうか、俺今変装中だったわ。とサングラスを外して安心して貰えるように名乗る。

「あらきさん…っ？！……ふぇ…っ」

急に泣き出すから、あれ、俺怖かったかなって焦っちゃった。
いやよく見た目怖いって言われるからさ。
そんな事ないのにな？

『え？！どしたんすか？』

「すみません…多分ストーカーにつけられてて…」

思いもよらぬ物騒な内容。こりゃほっとけないわ。

『周り見てくるから絶対コンビニから出ないで』

そう注意してコンビニから出ると、多分犯人であろう人が少し遠くからこちらの様子を伺っている。

近づこうとするとこちらに気づいて逃げてった。
大丈夫そうか…。
今はあれ追うより和泉さんの方が心配。
とりあえず安心させたくて犯人が居ないことを伝えると
涙目で感謝されて、あれ？こんなに可愛かったっけこの人。だなんてこんな状況なのに思ってしまう。

『とりあえず家まで送るよ、1人にさせるの不安だし』

普通に家聞いてしまったけど、あれ？これ俺も危ないおじさんになってない？

『…って言ってもこんな事あったあとで男に家教えたくないか』

「え！いや！そういうわけでは！あらきさんなら大丈夫です！」

あらきさんなら、とかサラッと言っちゃうあたり。
この子ナチュラルにあざといタイプ…？
ストーカーされちゃう理由が少しわかっちゃったかも。
まぁでもだからこそ心配というか。

『俺なら、とかそーゆーこと簡単に言うと男はすぐ勘違いしちゃうからだめですよ。
まぁでも、そーゆー事なら心配だし送ってきます』

「すみません…助かります🙇‍♀️」

さりげなく注意したけど、他の男には〇〇なら、とか言わないで欲しいな、だなんて、思ってたり。