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そうこうしてる内に、警察が来てストーカーを捕まえてくれ、私たちは事情聴取をされた。
電話がずっと繋がってたことで全部流れが聞こえてたことと、
幸運なことに近くに防犯カメラもあって
あらきさんの一撃パンチは正当防衛に認められ、
私は後日慰謝料やら何やらの話をすることにはなったが
とりあえずは一件落着した。
「ただでさえ忙しいのに、こんなことに巻き込んでしまって本当にすみません」
『だーからAさんが謝ることじゃないでしょーに。
無事で良かったよ。
でも一つだけ怒るとしたら、俺待っててって言ったのに』
「すみません、迷惑かけたくなくて。でも結局超迷惑かけてしまうことになって最悪ですけど…」
『迷惑ではないよ。でもストーカーにカッター向けられてるAさん見た時、生きた心地しなかったよね。
もう無理はしちゃだめですよ』
「はい、あらきさんの言うこと聞きます」
『はは、いい子いい子』
私の頭を撫でる大きい手にキュンとくる。
『じゃあもう1個俺のおねがい聞いてくれますか?』
「私に出来ることならなんでも!」
『うん、ストーカーは捕まったけど変わらずこれからも送らせて』
「え?逆にいいんですか?」
『Aさん、ほっとけないし』
「ほっとけない…って…」
どういう意味…?って聞きたかったけど、あらきさんにとっては手のかかる妹のようなものなんだろう。
そう自覚してても多分あらきさんの言葉で"妹"なんて言われたら私はきっと露骨に悲しい態度を取ってしまう自信がある。
だから…
何も聞かない。
『ん?』
「あ、いや、ご心配ばっかかけちゃうし護身術でも習おうかな、なんて」
『はは、いいね護身術!俺を倒せるくらいになってみせてくださいよ』
「あらきさんは強いから無理です…」
『そんなこたぁないですよ〜』
とりあえずストーカーは捕まったし、でもあらきさんとの日々も変わらなそうだし、良かったな…!
でも好きと気づいてしまった今、もう前のように帰るだけじゃ嫌で。
でも1スタッフがそんな想いを抱えてることがダメなこともわかっていて。
…考えてもネガティブになるだけだ。
何も考えずに楽しく過ごそ。
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作者名:sana | 作成日時:2023年10月31日 22時