特別な赤色(🍎‪) (ページ7)

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Aお疲れ様です!
今仕事終わりました!

10分後

あらきさんほんっとにごめんなんだけど打ち合わせ長引いてて、もう少しかかりそうだから
カフェとかで待ってて!

こんな遅くまで打ち合わせか…！

大変そうだし、私の事気にして打ち合わせに集中出来ないのは良くないよね。

もう1人で帰っても何も無いだろうし
待ってるより帰った方があらきさんも気持ち的には楽だろう！
スタッフとして、あらきさんの仕事が第1優先だ。
それなのに邪魔することはあってはならない。

Aそしたら今日は大丈夫なので、こちらのことは気にせずに打ち合わせみっちりしちゃって下さい!

そう送ると、あらきさんに送って貰うようになる前と同じ帰路に着く。

イヤホンであらきさんの曲を聴きながらノリノリで帰ってると、途中で充電がもうほぼないことに気づく。

えーと、モバイルバッテリーは…

…やらかした、会社のデスクに置いてきちゃった…。

あーもう、こういう時に限って！

あらきさんからの連絡がすれ違っては適わないので早く帰らねば、と音楽を聴くのをやめ足取りを早めると

…嫌な気配が。

同じくらいの足取りでの足音が後ろから聞こえる。

やばい。

忘れてたわけではなけど、もう大丈夫だろと完全に油断していた。

コンビニまではダッシュしてもまだまだあるのに…どうしよう。
せめて大通りまでダッシュするか…と決意した時

ストーカー「もう会えないかと思ってたのに、また会えるなんてやっぱり僕達運命だね」

気づけばストーカーはすぐ近くにまで迫り、声をかけながら近づいてくる。

ス「やっぱり君は綺麗だ。僕の理想とする女性。」

恐怖で声が出ない。
ここまで迫られたらいくらダッシュしたところで厳しいだろう。

ス「また会えなくなるなんて嫌だから僕だけのものにしたい」

と言うと、カッターを取り出しカチカチ刃を出しながらさらに迫ってくる。

…あぁ、私殺されちゃうのかな。

…死ぬ前にあらきさんにまた会いたかったなあ。
てかこれで私が死んだらあらきさん自分のせいだとか思うんだろうな。
待ってて、って言ってくれてたのに。
私が勝手にひとりで帰ったからなのに。

……最後にまた、あらきさんに、会いたい。

『Aっ』

走馬灯って本当にあるんだ。
あらきさんの声が聞こえて、呑気にそんなこと思ってたら
目の前には見慣れた赤色の髪。

あぁ、ヒーローが現れてくれた。