八話。 ページ10
Aside。
ファンはどれだけ走ってもうざいほど追ってくる。
『はぁ、はぁ……』
どうしよう。体力がもたない。
て言うか、なんで諦めてくれないの…。
すると、腕を強く握られた。
後ろを振り向くと一人の男性が笑いながら私に話しかけてきた。
「やっと、捕まえた。Aちゃん」
『は、離してください…』
「そんな怯えた顔しないでよ」
そう言いながら、私の顔を触ろうとした。
気持ち悪い。
助けて。
「おっと、いけないよ。こういうことは」
「……誰ですか？あんた」
「えっ、あれ、もしかして…」
「あぁ！本当だ。ひふみんだ！！」
え、ひふみん？
あの、新宿の？でも、ここ秋葉原だし…。
「ごめんね。子猫ちゃん達。僕はこの子に用事があるんだ。またいつか一緒に二人っきりで話そうね？」
「「「は、はい…」」」
そして、私はいきなり来たその人に引っ張られ、人通りの少ない路地に連れて行かれた。
『あの、助けてくださりありがとうございます』
「いえいえ、可愛い子が困っていたら助けるのが普通さ」
『は、はぁ…』
なんだ、この人。
話し方が凄い嘘っぽいし、そういうこと言われても私嬉しくないんだけど…。
あとやけに新宿の伊奘冉一二三に似てるなぁ
まあ、そんな人がこんなところにいるわけないけど。
暗くて顔があんまり見えないし、変な人だと怖いから早くかえろう。
『では、私はこれで…』
「あ、待って。これ。うちのお店だから是非来てね」
宣伝か。
そして、帽子を深くかぶり、路地裏から出た。
明るくなったところで、もらった名刺を見る。
『……え！？』
本物の、伊弉冉一二三だ…。
もう一度、急いで路地裏に戻っても、もう彼の姿はなかった。
もっと、話しておけばよかったのに…。
・
・
「ただいまぁ〜」
「おかえり、一二三。遅かったな」
カップラーメンの匂いが部屋に漂う。
「実はさー、朝女の子がなんか人に追いかけられてたから助けて。そうしたら店長に遅刻で怒られちゃったんだよね〜」
「ふーん。災難だったな」
興味もなさそうに独歩は言葉を返した。
でも、一二三はまだ話を続けた。
「んー、でも顔はあんまり見えなかったけど、どっかで聞いた声だったような…」
「お前の客だったんじゃないか？」
「確かに！独歩ちん天才！！」
・
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ゆ - めっちゃ気になるところで終わった…神作を作る神様は消えてしまったようだ (2022年5月12日 22時) (
レス) @page14 id: ac86c954c4 (このIDを非表示/違反報告)
ききき(プロフ) - すごいとこで終わったなあ笑笑 (2021年12月31日 10時) (レス) @page14 id: f1185728b3 (このIDを非表示/違反報告)
世成 - あれ、完結してる() (2021年8月6日 23時) (レス) id: fb31e5b43b (このIDを非表示/違反報告)
くま - え、めちゃくちゃ気になるとこで終わっちゃった爆笑爆笑 (2021年6月17日 18時) (レス) id: d8c64a6aa7 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ中毒 - なんか凄い良いところで終わってて泣きそう() (2020年8月17日 21時) (レス) id: c0b9da0cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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