またいつか8 ページ49
「ドヒョンも今メイク中だけどいるぞ。喜ぶんじゃない？」
「うわー！会いたいなあ。嬉しい」
ハンギョルは今同じ事務所のドヒョンと二人で活動をしている。実は会いたかった人は今日、他にもいる。
「まさかこんなにステージが被るとはな。ヒョンジュン達には会ったか？」
「まだ。朝からリハがあって…」
「お前、いつの間にダンサーになってたんだよ。写真が送られてきてびっくりした」
私がスンヨニヒョンのバックダンサーをしたことは、みんなに写真付きで回ってたらしい。連絡しなくてごめん、と謝るとハンギョルはまた笑いながらパンチをしてきた。
「写真見てどっかで見た顔だな〜って思ってたらドヒョンがお前だって言うから。まじでびっくりした」
「本当は私じゃなくて、私の先輩が踊るはずが怪我しちゃって。ラッキーなことに私が出してもらえたの」
スタジオに入って日が浅い私がこうしてバックダンサーに選ばれることは奇跡に近い。
練習を始めてしばらく経つが、練習生の頃に戻ったようで毎日楽しかったのを思い出す。
「元気そうでよかった、今日で活動終わりだろ」
「よく知ってるね」
「スンヨニヒョンとはよく連絡してるからな」
ハンギョルも変わらない。整ったはっきりした目鼻立ちに、男らしい体が今回のコンセプトによく似合っている。
「ステージで会おうね」
「おう」
私が手のひらを出すと、彼が思いっきりハイタッチをした。
会いたかった、みんながここにいる。
全員ではないけれどこうしてステージで会うことができる。
「ヌナ！」
ヒョンジュンとミニもいた。
二人とハグをする。
あの頃より素直に気持ちを伝えられるようになった。
「会いたかったよ」
言えなかった、伝えられなかった言葉。
みんなに一歩近づいた気がした。アイドルの夢は諦めてしまったけど、私は私で夢を見つけた。
まるで夢を見ているようだったあの頃。
彼らにたくさん助けられた。
一人じゃ乗り越えられなかったことも、みんながいたからこそ乗り越えられた。私になれた。
「早くスタンバイしないと！」
ステージへ走る中、青い髪をしたスンヨンが私に手を伸ばす。迷わずその手を掴んだ。
いつか、彼との距離が縮まったら伝えたい。
自分も納得する、なりたい自分になれたら。
みんなを好きになったから。
自分を好きになれた。
彼を好きになった。
またいつか、このステージまでの道を彼と歩けますように。
そう願った。
ーおわりー
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cham-chi(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます！今更な気もしたんですがそう言って頂けて本当に嬉しいです。励みになりました！！読んでいただいてありがとうございました！！ (2020年9月16日 11時) (
レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - X1の作品が少なくなり寂しい思いをしていまきたが、更新通知が来るたび、まだまだ私のように応援している人がいるんだなと思い嬉しくなりました。素敵な作品に出会えて嬉しかったです！これからも頑張ってください(^^) (2020年9月16日 2時) (レス) id: 70fff2cd4d (このIDを非表示/違反報告)
cham-chi(プロフ) - カナル式さん» カナル式様＞コメントいただけて凄く嬉しいです！今更書くのはどうなんだろうと迷っていたんですがそう言っていただけて書いた甲斐がありました。下手くそな文章ですがもう少しお付き合いください。いつもありがとうございます。 (2020年9月11日 7時) (レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - この作品すごく好きです！ 今はX1の作品があまり無いのでこうやって更新して下さるのが嬉しいです！これからも続きを楽しみにしています(*^^*) (2020年9月11日 0時) (レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cham-chi | 作成日時：2020年9月5日 0時
