番外編、イ・ハンギョル2 ページ40
「イカ…どうしようかな…最近高いんだけど今日はちょっと安い…」
ぶつくさ言いながら私が買い物をしている横で、ハンギョルは静かにカートを押してくれている。
すれ違う女の人が全員振り返って彼の顔を二度見しているので少し笑えてしまった。
ぷ、と私が小さく笑うと眉毛を上げて訝しそうな顔をしている。「なんで笑ってんだ？」そう言いたげな顔だ。
お喋りで調子の良い男に見えて、そうでもない。
スンヨニヒョンといる時は子供っぽい応酬をしている時もあるが良い兄で面倒見の良い部分もある。
特に同じ事務所で弟のドヒョンには格別に世話を焼いている印象があった。
かと言って子供のようにはしゃいで悪戯したり、シャワーから出てくるヒョンジュン達を変顔をして驚かせたりもする。
(なんかよく分かんない人)
私とは「飯うまかった！」とか「明日のご飯は肉にして」とかしか会話がなかったので、イ・ハンギョルという男がイマイチどういう人間なのか分からないのだ。
イカを持ちながらボーッと考えていると、ズイ、とハンギョルの顔が近づいてきた。
「な、なに」
「お前さあ」
大きな手が私のおでこを触る。ひ、と息を呑んだ。
髪をかきあげ、長かった私の前髪が完全に視界から消えた。
「前髪切ればいいのに。暑くない？」
「あ、暑くない」
「ふーん」
反射的に手を振り払うと、ハンギョルは口を尖らせた。触られたおでこが熱くて、ドキドキしながら自分の手で冷やした。
(距離を一気に詰めてくる)
パーソナルスペースは狭い方なので、最初は人とは距離があるが、彼は上手に懐に入ってくる。
人との距離を詰めるのが上手だしフレンドリーだ。
私がぽやぽやしている間に、ハンギョルはお菓子を数袋カートに入れていたようで会計の時にようやく気づいたのだった。
「あっ！なにこれ！」
見覚えのないお菓子に気付いた時にはレジを通されていて、抗議しようと上を見上げると私の髪の毛を捻って遊んでいた。
私の視線に気づくと、満足そうに彼は笑っていた。
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cham-chi(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます！今更な気もしたんですがそう言って頂けて本当に嬉しいです。励みになりました！！読んでいただいてありがとうございました！！ (2020年9月16日 11時) (
レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - X1の作品が少なくなり寂しい思いをしていまきたが、更新通知が来るたび、まだまだ私のように応援している人がいるんだなと思い嬉しくなりました。素敵な作品に出会えて嬉しかったです！これからも頑張ってください(^^) (2020年9月16日 2時) (レス) id: 70fff2cd4d (このIDを非表示/違反報告)
cham-chi(プロフ) - カナル式さん» カナル式様＞コメントいただけて凄く嬉しいです！今更書くのはどうなんだろうと迷っていたんですがそう言っていただけて書いた甲斐がありました。下手くそな文章ですがもう少しお付き合いください。いつもありがとうございます。 (2020年9月11日 7時) (レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - この作品すごく好きです！ 今はX1の作品があまり無いのでこうやって更新して下さるのが嬉しいです！これからも続きを楽しみにしています(*^^*) (2020年9月11日 0時) (レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cham-chi | 作成日時：2020年9月5日 0時
