夢を見ている間に

夜明け ページ33

私の一世一代の告白はすんなり受け入れてもらえた。

あれだけ悩んでいたのが、まるで嘘の様に。

意外とハンギョルが鋭いのに驚き、みんなでいろんな思い出話をした。

「よかった…許してもらえて…」

「許すとかそうじゃないだろ。みんなお前のことを知ってるからやむを得ない事情があったんだって、それくらい分かるよ」

ヨハンの言葉にみんなが私を見る。

出会えてよかった。
彼らを知れてよかった。

音楽で、彼ら自身が、人を救える。

彼らはそんなパワーを持っている。
辛い時は慰めてくれて、挫けそうな時は励ましてくれる。
一緒にいてくれる。
支えてくれる。

まさにアイドルだ。

私があの日、夢見たアイドルが目の前に揃っていた。


「ありがとう…本当にありがとう…。出会えてよかった」

私がまた泣き出すと泣くなよ〜と笑った。
彼らが好きだ。

この先どうなろうと、道が分かれようと、ずっと変わらず好きでいる。


この11人で良かった。

他の誰でもダメだった。


時間になりみんなは会社へ行くために宿舎を出て行った。
しきりにヒョンジュンが「ヌナ、あんまり気にしないで」と言ってくれた。ヌナという言葉がまだ慣れない。
最後に宿舎を出ようとしたスンウの背中に声をかける。

「スンウヒョン！」

「お？どうした」

「ありがとうございました」

「…何もしてないけどな」

「ヒョンがリーダーだからこのメンバーがまとまってると思います。私のことも、私が話すまで待ってくれてありがとうございます」

私が笑うとスンウも笑った。
いつもみたいに優しく頭を撫でると玄関から出て行ってしまった。


まだどうなるかわからない。
でも変わらずこれからも彼らのファンでいたい。

近くで支える事は出来なくても、彼らの音楽に触れていたい。




切実な思いとは裏腹に、彼らの解散が決まったのはその3日後だった。

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