夢を見ている間に

正直さ ページ32

ウソクの言葉に私が一番混乱した。

「え…ウソギヒョン…だって朝…私が女だって知ってたんじゃないんですか？」

「いや、俺はただ、お前が女装するのが好きなんだと思って、そんなそぶりも見せないから趣味とか生き方は自由なんだって言いたくて」

ウソクが焦った顔で言うとスンヨンとスンウが吹き出した。スンヨンは床で笑い転げている。


朝のやりとりはなんだったのか。

(ウソギヒョン、勘違いしてたのか)

店で女の格好をしている私を見て男だけど女装が趣味だと思ったのか。
だから、あんな事を言ったのだ。

ずっと何が言いたげに私を見ていたのはそう言うことか。
全てに合点がいき、つい私も笑ってしまう。


「ええ〜！Aヒョンが…！でも僕なんか男にしては可愛い顔してるなーって思ったんですよね〜」

ドンピョがそう言うとあー、わかるとウンサンとジュノが頷く。
みんなが笑い出し、まじかよと口々に話し出す。

(あれ…)

みんな笑っている。
ポカンと見つめていると笑っているスンウが私の肩を叩いた。


「騙したとかそういう風に思わなくていい。誰も怒らないし嫌わないから。しょうがなかったんだよな」


その言葉に堪えていた涙が溢れてしまった。


「あー！スンウヒョンが泣かした〜！そういえばヒョンはいつから知ってたんですか？」

私の裸を見たなんて口が裂けても言えないスンウはそっぽを向いてごまかしていた。
ヒョンジュン達が「勇気を出して言ってくれてありがとうございます」なんて言ってくれるのでますます泣いているとハンギョルが突然手を上げた。


「俺も前から知ってましたけど」

「え！本当に？」

ヒョンジュン達同様、気付いていなかった隣に座るヨハンが顔をしかめる。


「ハンギョルは昨日部屋で私の話聞いてたでしょ」

「昨日？俺はもっと前から知ってたけど」

「え…？」

驚いていると昨日は本当に寝ていたから話は聞いていないと言い出したのだ。

「だって前にダンスの話をしてた時に、お前練習生だったって話してたじゃん」

そういえば話した気がする。つい口が滑ったのだ。ドンピョが私のダンスが上手だと持ち上げてスクールに行ったらいいのに、とかどこかの事務所のオーディションを受けるべきと言ってくれた時に昔練習生を少ししてたと話したのだ。


「あそこの事務所、男の練習生取り出したの最近だし当時女の練習生しかいなかったはずだから」

女なのかなーって。
ハンギョルが意外と鋭くてみんなが驚いていた。

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