夜明け ページ31
いざみんなが集まり始めると、そわそわしてしまった。
いつも通り私に声をかけてくれて、何かあったのか心配してくれる。
会社に戻る時間の合間に集まってもらったからあまり時間はない。
リビングに11人が集まった。
「大変な時にごめんなさい。話したいことがあって集まってもらいました。わたし、ずっと、みんなを」
騙してました。
そう言う前に、顔を見たら無性に怖くなってしまった。
足が震える。
全員の顔が目に入る。
ただならぬ空気にヒョンジュンが大きな目を震わせてミニと2人で不安がっている。
ドンピョとドヒョンも不安そうに手で口を押さえてわたしを見ている。
話を察したスンウは少し俯きながらソファーの背に腰掛けていた。
スンヨンとハンギョル、ヨハン は真剣な眼差しで私を見ていて、ウンサンとジュノは床に座ってわたしを見上げる。
ウソクと目が合う。
必死に涙を堪えた。
なんてことをしていたのか。
嫌われてもしょうがない。どう思われてもしょうがないけど。
みんなの事が好きで、みんなに救われて、変わろうと決意できた。
だから。
「みんなを、騙していました…！私、本当は、女です」
男じゃない。
息を飲む声が聞こえた。
「いろいろあって、男のフリをしていて、ずっとそうやって自分と人を騙して生きていこうと思っていたけど、みんなと会って救われて」
それから私は言葉に詰まりながら何とか話した。
家族のこと。今までのこと。
みんなと過ごすうちに毎日が楽しい反面、自分自身も現実とのギャップに辛くなったこと。
みんなが辛い時に告白して、楽になって、ずるいとは分かっているけれど正直に付き合っていきたいと思ったこと。
変わりたいと思っていること。
スンヨンに話した様に事細かには話せなかったが自分なりに理由を話した。
「ここで生活して関わる中でみんなのことがすごく好きになって、大事な存在になっていて…。謝って済む問題じゃないけれど、本当に、ごめんなさい…」
頭を下げた。
自分の膝を見つめる。
(泣いちゃダメだ…泣いたらダメ)
私にできる事は誠心誠意謝ることと、気持ちを伝えること。
「え…と言う事はヒョンって、ヒョンじゃなくてヌナ？Aヌナってこと？」
一番に喋り出したのはミニだった。
ヒョンジュンに指差しながらそうだよな？と同意を求める。ヒョンジュンが人形みたいに首を振った。
「いやちょっと待って、女？Aって女性だったの？」
一番驚いた顔をしたのはウソクだった。
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cham-chi(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます！今更な気もしたんですがそう言って頂けて本当に嬉しいです。励みになりました！！読んでいただいてありがとうございました！！ (2020年9月16日 11時) (
レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - X1の作品が少なくなり寂しい思いをしていまきたが、更新通知が来るたび、まだまだ私のように応援している人がいるんだなと思い嬉しくなりました。素敵な作品に出会えて嬉しかったです！これからも頑張ってください(^^) (2020年9月16日 2時) (レス) id: 70fff2cd4d (このIDを非表示/違反報告)
cham-chi(プロフ) - カナル式さん» カナル式様＞コメントいただけて凄く嬉しいです！今更書くのはどうなんだろうと迷っていたんですがそう言っていただけて書いた甲斐がありました。下手くそな文章ですがもう少しお付き合いください。いつもありがとうございます。 (2020年9月11日 7時) (レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - この作品すごく好きです！ 今はX1の作品があまり無いのでこうやって更新して下さるのが嬉しいです！これからも続きを楽しみにしています(*^^*) (2020年9月11日 0時) (レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cham-chi | 作成日時：2020年9月5日 0時
