からかう ページ17
スンウに正体がバレた後、怖いくらい日常は何も変わっていない。
彼が誰かに言うとは考えもしなかったが私は接する態度も全く変わらないのだ。
(逆に拍子抜けする)
現場やスタジオに差し入れを持って行く時、雑用で呼び出された時、宿舎ですれ違う時。
分かっていても全てにドキドキして意識してしまうのに。
「ドンピョや〜一緒にシャワー浴びるか？」
上半身裸のスンウが上機嫌にドンピョに迫る。
何人かがそれぞれバスルームでシャワーを浴びている時だった。スンウの呼びかけに、ドンピョが「ひえっ」と声を上げる。
「い、いいですいいです。ヒョン1人で入って…」
近くで洗濯物を畳んでいた私の後ろに、ドンピョはさりげなく隠れる。咄嗟に通りかかったヨハンの腕を掴んでドンピョが彼を差し出した。
「ヨ、ヨハニヒョンと入ってきたらいいじゃないですか！」
「ドンピョ…！お前…！！」
勘弁してくれとヨハンが後ずさる。彼の目が私を捉えた。
「A！Aと入ってきたら…！」
(キ、キム・ヨハン〜〜！！！)
口をパクパクさせながら、ふざげるなとヨハンを叩いてやる。アホ、アホだ、勘弁してくれ。
笑えない冗談でしかない。
しかし、私の名前を聞いてスンウはにやりと笑う。
「あ〜！それもいいな。A、一緒にシャワー浴びるか〜？」
にやにや。楽しそうにスンウが意地悪く笑う。
私が一緒にシャワーを浴びれないと、分かっててからかっているのだ。
(なんて奴…！奴とは失礼だけど！)
「ははは、面白い。入りません。スンウヒョンお一人でどうぞ」
笑ったつもりが全然笑えてない。
「残念だなぁ。男同士だし、遠慮しなくていいのに。な、A？」
男同士。その言葉に思いっきり睨んでやる。相手はヒョンだけど。年上だけど。
「遠慮してません！洗濯物終わらせたいので、早く入ってください」
グイグイ彼の背中を押してバスルームに押し込む。
私が女だと分かったのに平気で上半身裸で出てくるし。分かってて聞くし。
「分かった分かった。また今度な」
ぽんぽんと頭を叩く。また面白そうに笑ってバスルームへ消えていった。
それから気がついた。
(あ、今、意識してなかった)
今までギクシャクした態度を取っていたが久しぶりに普通のやりとりをしていた。
(見ているようで見ていないフリが上手いなあ)
さすがはグループのリーダーだ。
彼じゃなきゃ、このグループは纏められない。
一生かなわないなと思った。
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cham-chi(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます！今更な気もしたんですがそう言って頂けて本当に嬉しいです。励みになりました！！読んでいただいてありがとうございました！！ (2020年9月16日 11時) (
レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - X1の作品が少なくなり寂しい思いをしていまきたが、更新通知が来るたび、まだまだ私のように応援している人がいるんだなと思い嬉しくなりました。素敵な作品に出会えて嬉しかったです！これからも頑張ってください(^^) (2020年9月16日 2時) (レス) id: 70fff2cd4d (このIDを非表示/違反報告)
cham-chi(プロフ) - カナル式さん» カナル式様＞コメントいただけて凄く嬉しいです！今更書くのはどうなんだろうと迷っていたんですがそう言っていただけて書いた甲斐がありました。下手くそな文章ですがもう少しお付き合いください。いつもありがとうございます。 (2020年9月11日 7時) (レス) id: 019756ae7d (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - この作品すごく好きです！ 今はX1の作品があまり無いのでこうやって更新して下さるのが嬉しいです！これからも続きを楽しみにしています(*^^*) (2020年9月11日 0時) (レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cham-chi | 作成日時：2020年9月5日 0時
