甘い香りが溶かしていく ページ3
もうすぐ名古屋の到着を知らせるｱﾅｳﾝｽが流れた頃、Aが手を止めた。
ﾁｬﾝﾐﾝ「終わったのか？」
A「うん。なんとかﾒｰﾙで送れた。」
ﾁｬﾝﾐﾝ「そうかっ、よかったな！」
ここまで普通にしてるつもりだった。
「お前のことなんかもう忘れたからな。」
そう思えば思うほど余計に気になって外の景色を見るﾌﾘをしながらﾌﾗれた女の横顔を見つめていた。
A「ごめん。ちょっと席立ちたいんだけど…」
ﾁｬﾝﾐﾝ「ぁ、ああ！」
Aが席を立った後、急に脱力感を覚えｼｰﾄに座った。
ﾁｬﾝﾐﾝ「…なんでﾄﾞｷﾄﾞｷしてんだよ…。」
まだ未練があるって言ってるみたいじゃんか…。
ﾁｬﾝﾐﾝ「…ないわけじゃない…。」
俺のiPhoneに残るAの番号。
未だ消せずにいる自分が情けない。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…
出発を知らせる合図が鳴った。
ﾁｬﾝﾐﾝ「ｱｲﾂ…何やってんだろ。」
新幹線が出発してもAは戻って来なかった。
ﾄｲﾚが混んでる？
化粧直し？ｲﾔ、ｱｲﾂはそんなことに時間をかける女じゃない。
それとも…
ﾁｬﾝﾐﾝ「ｱｲﾂめ…っ！俺を避けようとこのまま大阪までどっかで時間を潰す気か…っ！」
立ち上がって振り返ると息を切らしたAが立っていた。
ﾁｬﾝﾐﾝ「A…」
A「ﾊｧ…ﾊｧ…これ…あげる。」
温かい缶ｺｰﾋｰ。
ﾎｰﾑに出ないと売ってないﾔﾂ。
ﾁｬﾝﾐﾝ「これ…買いに行ってたのか？」
A「車内販売いつ来るかわかんないし、どうしても飲みたかったから…。」
ﾁｬﾝﾐﾝ「無茶するな。間に合わなかったらどうすんだよ。」
A「…そのﾒｰｶｰのｺｰﾋｰ好きでしょ？」
ﾁｬﾝﾐﾝ「…。」
覚えていてくれた…？
A「切符のお礼。ありがと…。」
「別にわざわざ探したわけじゃないの。」そう言われてもｺｰﾋｰの甘い香りが凍った心を溶かしていくように徐々に言葉数も増えていった。
ﾁｬﾝﾐﾝ「東京にはよく来るの？」
A「出張でたまに…。」
ﾁｬﾝﾐﾝ「そうか！俺もたまに関西に行くんだ！今日は大阪だけど！」
A「そう…。大阪も寒いわよ…。」
ﾁｬﾝﾐﾝ「え？」
A「今日は寒くなるってﾃﾚﾋﾞで言ってたのにﾏﾌﾗｰも手袋もしないなんて…。」
ﾁｬﾝﾐﾝ「うん。外に出てから気がついた(笑)」
A「…相変わらずね…。」
ﾊﾞｯｸﾞからﾎｯｶｲﾛが出てきた。
A「あげる…。」
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ミニー - bubuさん、大丈夫ですか？これだけ皆さんが評価してるので、それが答えだと思います。わざわざコメ欄閉じなくても良かったと思いますよ。 (2015年7月9日 23時) (
レス) id: afeb557933 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - Marieさん» 早速読んでくださりｺﾒﾝﾄまで頂いてありがとうございます！次の章でﾁｬﾝﾐﾝがどうしていくのか楽しみにしてて下さい(*^^*) (2015年1月10日 0時) (レス) id: 35a7c0abd2 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - あや511さん» そう頑固なの！でもﾁｬﾝﾐﾝは諦めません！ (2015年1月10日 0時) (レス) id: 35a7c0abd2 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - wakaさん» 「私」は頑固なだけでｲﾁﾞﾜﾙは作者なの〜 (2015年1月10日 0時) (レス) id: 35a7c0abd2 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - ひろさん» まだ素直にはなれないね。ﾁｬﾝﾐﾝの頑張りにかかってる(笑) (2015年1月10日 0時) (レス) id: 35a7c0abd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bubu | 作成日時：2014年12月16日 17時
