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§16§ ページ16
一日中考えた。迷いはあった。
イリクを困らせてしまうのは嫌だ。けれど……このままでは前に進めない。
言ってしまえばたった一瞬。
フラれることなんてわかっているのだから、「気持ちの整理をつけたいだけ」と前置けば、イリクの辛さも軽くなるだろう。
このときルチルは、そう軽く考えていた。
だから、いつものように放課後、勉強を始めようとしたときに何気なく声をかけたのだ。
伝えたいことがある、と。
「貴方がどう答えるかはもうわかってる。私は私の気持ちに蹴りをつけたいだけなんです。
……だから、聞いてほしい」
イリクは一瞬呆けるが、ルチルの真剣な眼差しに、無言で頷く。
それを確認し、ルチルは意を決して言った。
正しいか間違いかもわからぬその想いを、言の葉に乗せて。
「好きです」
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作者名:瑠色 | 作成日時:2017年10月2日 23時