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§15§ ページ15
翌日。前日がすごい騒ぎだったからか、いくらか静かに感じられる。さすがにあんな騒ぎになったルチルに告白しようなんて輩は来ず、ルチルはせっせと勉強した。
一方、イリクの方は女子が絶えない。昨日より少ないが、言い寄ってくる者はいた。ほぼほぼ休み時間には廊下などでいつもの情景──イリクが丁重に女子の告白を断る姿。
イリクの顔を見るのが苦しくて、ふと、相手の少女に目をやる。茶髪に黒目の特に主だって特徴のない女子生徒。イリクにぺこりと頭を下げて、こちらを見た彼女は、目尻に涙を溜めながらも、どこか清々しい表情をしていた。告白前までの悶々とした姿はどこへやらだ。
ふと、ルチルは思う。
告白は断られるかどうかが問題ではないのではないか。
告白したという事実こそが何よりも重要であり、尊いことなのではないか。
イリクを困らせるかもしれない。けれど、
この気持ちに蹴りをつけるには、いい方法なのではないだろうか。
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作者名:瑠色 | 作成日時:2017年10月2日 23時