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§14§ ページ14

「遅くなりました、ルチルさん」
イリクは未だ帰らず、机でぼーっとしているルチルに声をかける。
もはや下校時刻だ。そんな時刻まで律儀に待っていた彼女に対しての最低限の礼儀として、イリクは声をかけた。

「大丈夫ですよ」

振り向き様、イリクに向けられたのは、満面の笑み。
それがイリクの罪悪感を掻き立て、気まずく目を落とすと、そこには空白のノート。……まさか、自分を気にして待っていてくれたのだろうか、と思う。
すると更に申し訳なさが込み上げてきて、「ごめんなさい」という言葉が口をついた。
ルチルの表情に一瞬痛みが走る。けれどすぐに微笑みに戻して「大丈夫です、お疲れさま」と言った。

「お互い、大変だねぇ」

そんなことを言って、ルチルはぱたんとノートを閉じる。下校の準備を始めた。
より申し訳なさが込み上げるイリクだが、もう下校時刻なのは変わらない。彼女の傍らで準備をする。
先に準備を済ませたルチルが、去り際、言った。



「また明日、やろうね」

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設定タグ:オリジナル , 悲恋 , シャルル   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:瑠色 | 作成日時:2017年10月2日 23時

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