眠れない夜を越えた感情 ページ21
、
Ｍside
雅「っ！」
はっと起きるとまだ春になりきれない
寒さの残るこの季節に汗をびっしょりかいていた。
嫌な目覚めだった。
時計を見ると午前5時。
中途半端な時間だった。
あまりの気分の悪さに再び目を瞑る気になれず、
ひどく乾いた喉を潤そうと部屋を出た。
まだ日は昇っておらず、真っ暗な部屋とは対照的に
廊下に出るととリビングの灯りが
階段の下から漏れていた。
とんとん…
ゆっくりと導かれるように階段を降りていくと
リズミカルに聞こえていた音が止まった。
和「おはようございます。」
雅「おはよう。」
和「まだ朝ごはんできてないですよ。」
雅「うん。」
相変わらずの笑顔で和が料理をしていた。
いつもこんなに早起きして
ご飯作っていてくれるのだと思うと
感謝の気持ちでいっぱいだ。
雅「早いね。」
和「あなたこそ。どうしたんですか。…また嫌な夢でも？」
キッチンとダイニングの間にある
カウンターの前にある椅子に座ると
和が水を入れ注いでくれた。
雅「ちょっとね。ありがとう。」
コップ１杯のそれを一気に流し込むと
もやもやした気持ちがすっと流されるような気がした。
和「顔でも洗ってきたら？スッキリしますよ。」
雅「うん。」
和の意見に賛同の返事をしたものの、
それを行動に移すことはしなかった。
淡々と野菜を切り刻み、魚を丁寧に焼き、
みそ汁の味を確認しながら
潤と翔ちゃんの弁当作りに取りかかろうとしている
和を見ていると何故だかその場を離れたくなかった。
ずっと見ていたかった。
自分が今いる環境は先ほど見た
悪夢のような場所ではないのだと確信したかった。
こんなにあったかくて明るくて安心して
幸せの香りがする…
・
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うさ(プロフ) - はじめまして。うさと申します。こんなステキなお話に出会えて本当に幸せです。設定、人物全て心をわしづかみされました。この嬉しい気持ちをお伝えしたくて、メッセージ書かせていただきました。ありがとうございました。 (2019年5月8日 8時) (
レス) id: a3e5c70113 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 面白いので続きをお願いします (2016年9月27日 13時) (レス) id: 82e7161b7d (このIDを非表示/違反報告)
紗縷々(プロフ) - 嵐山コンビのS×Oさん» 嵐山コンビのS×Oさん お話読んでいただき、ありがとうございます。前後の翔さんの言葉から推測するに、他愛のない、日常の会話だったのでしょう(^_^)わかりあえるっていいですよね、“特別”ですよね。 (2016年9月20日 1時) (レス) id: fe77c8e98a (このIDを非表示/違反報告)
嵐山コンビのS×O(プロフ) - いや〜ほのぼのしますね。ちなみに智さんは翔くんになんて言ったのか気になりますね。分かり合えるっていいよね。 (2016年9月17日 10時) (レス) id: 5207cbdedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗縷々 | 作成日時：2016年9月17日 4時
