第4話 ページ6
プシュー、と力ない音をたててドアが開く。午後4時。僕たちは京都駅に戻ってきた。バスを降りると同時に、後ろにもう一台バス停に入ってきた。どうせ乗り継ぎ悪いんだろ、とふてくされながらふと路線番号を見ると「南5」とある。伏見稲荷へのバス番号を確認すると…「南5」！ビンゴだ…！すぐさま僕らはそれに乗り、狐のお面せんべいを手に入れるべく伏見稲荷へ向かった。神社に行く前にせんべいを手に入れた。これは写真撮るしかないでしょ、彼女と狐のコラボですよ？と内心ワクワクしながらカメラを取り出そうとするも、勘づかれたらしく「あ、写真取らないでね！絶対。」と釘を刺されてしまった。やはりデジカメで彼女と写真を撮るのは不可能に近い…。ならばケータイで撮ればいい。僕はまだ諦めない。それにしてもせんべいうまいな。結局2枚買ってしまった。彼女も美味しそうに食べている。食べるところまで可愛いのは犯罪ですよ？ねぇ。
せんべいを堪能した僕たちはいよいよ伏見稲荷大社へ足を踏み入れる。まず門がでかい。八坂神社の比じゃない。で、有名な千本鳥居を目指す。人が多い。意外にも外国人観光客の姿も多く、僕の理解できない言語で喋りながら子供が鳥居を指差している。135本か…と彼女が呟く。え？数えてたの？と聞き返すと、さっきの子供が数えていたのを聞いていたらしい。私フランス語ならなんとなくわかるから…と照れる彼女。いやすごいやん。すごすぎて関西弁出たし。それからはくだらない話で会話が弾み、知らないうちに山をずいぶんと登ってしまった。そういえば彼女ヒール履いてるんだ。足大丈夫かな…。と心配してみるが返ってきた言葉は「いやまだまだ歩けるよ？」どんだけ足が丈夫なんだか。スニーカー履いてる僕でも足痛いのに。一旦座って休憩する。もう帰ったら遅くなるだろうからそろそろ降りるか、ということになり、僕たちはそろそろ帰ることにした。下りの階段は上りよりも急に感じる。僕が手を出すと手を握り返してくれた。今までどれだけ手を繋ごうと頑張っても拒否されたのに。まさかこんなところで手繋ぎデートが成立するとは…。神様ありがとう。あとでお賽銭あげる。山を下りている間ずっと繋ぎっぱなしだった…。最高…。それで思い出した。
ツーショット、そろそろラストチャンスじゃない？
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作者名：チャルさん x他3人 | 作成日時：2020年3月30日 23時
