第3話 ページ27
銀閣から二条城へ行こうと思うとそこそこバスを乗り換える必要がある。なんせ南に一回下ってから市街に入る必要があるからだ。まあ時間があるからいいだろう。というわけで二条城にやってきた。再チャレンジ成功である。開いている。というわけで城攻めと写真撮影を開始する。序盤から頑張って画角に彼女を入れようとするも全くダメ。一切こちらの策略に乗ってくれない。まあそれが通常運転という感じなのが悔しいが。とりあえず中に入る。さすがもと離宮、豪華だ。城という感じがあまりない。華美だ。中を進む。床がキュ、キュ、と音を立てる。説明文を見ると「鳴き床」というものらしい。外敵の侵入を知らせるためにわざと床が音を立てるような造りになっているのだそうだ。幸い周りには誰もいない。2人で床を鳴らすのを楽しむ。大広間に行く。ここは日本史上重要な出来事、大政奉還の場所と言い伝えられている。まあ実際は誇張されているそうだが。とにかく二条城は城じゃない。宮殿だ。そう思わせる風格が漂っている。妙な建物がある。なんだろうね、と2人で話していると看板に台所と書いてある。えっ？台所？にしては広くない？と驚くが、ここは宮殿。台所が広くてなんの疑問があるだろうか。ない(反語)。結局一周するのにだいぶ時間がかかってしまった。意外と二条城周辺、ほかに見るところが少ない。思っていたよりも時間が押している。飛雲閣に行こうと思うが、彼女、今日はここ二条あたりを散策したいそうだ。でも二条は多分飽きるだろう。方向オンチの彼女には少しくらい別の場所に誘導してもわからないだろう。というわけで祇園までバスで移動する。やっぱり京都初心者は祇園から始めるのが鉄則だと思う。最近京都ではチョコレートがアツい。特に祇園あたりはチョコレート屋が固まっているので散策にはもってこいなのだ。細い道も多いし。さてバスを降り、僕は彼女を1店舗目、カカオマーケットバイマリベルに連れて行く。
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作者名：チャルさん x他3人 | 作成日時：2020年3月30日 23時
