京都編 #3 第1話 ページ25
結局3回も京都に行くことになってしまった。僕が決めたのだから仕方ないが。今回は目的がはっきりしている。そう、京都三閣を巡るのだ。京都三閣ってなんぞや、と思ったそこの君。この機会に覚えておいてほしい。北山の金閣(鹿苑寺)、東山の銀閣(慈照寺)、下京?ごめん区の名前忘れたけどまあその辺の飛雲閣(西本願寺)の3つの「閣」を総称して京都三閣と僕は呼んでいる。遠い方から巡るのが合理的だろう。周辺の観光地?時間ないから次回に回すつもりだが。いつも通り彼女に丸投げされているのでコース選択に文句は言わせまい。ということでバスに乗り、金閣にやってきた。個人的に金閣寺と呼ぶのは好きでない。あれは鹿苑寺の金閣なのであって決して金閣寺という名前ではないと思い込んでいるからだ。もしかしたら金閣寺が正式名称なのかもしれないが。実はここ、入場料を払うと、もれなくお札が付いて来るのだ。しかも結構大きいやつ。家に飾っておこう。ここ金閣は池とゴールドの金閣の調和がすごいのだ。これを目の前にして写真を撮らないやつの気が知れない。ぜひここで彼女とのツーショットを撮りたいとかねてから思っていたのだ。とりあえず池の前で時間を稼ぐ。頑張って写真を撮ろうとするも感づかれてしまい、絶妙なポジションに立たれる。やっと1枚隠し撮りできたと思ったが、しっかり逆光。顔見えないし。仕方がない、先に進むか。鹿苑寺を見て回る。足利義満がうんたらで金閣の第一層はかんたら、と僕は調子に乗って金閣の構造や歴史について講釈を垂れる。彼女、興味はないはずなのにしっかり聞いてくれる。毎回そうだ。つくづくありがたい。写真が撮れないまま一周してしまった。僕は一人でこういうところに行くと必ず二周はしてしまうのだが、今回は我慢。銀閣に行こうか。
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作者名:チャルさん x他3人 | 作成日時:2020年3月30日 23時