第2話 ページ9
地下鉄に乗って心斎橋へと向かう。今回はどちらかというとミナミをメインで巡るつもりだ。心斎橋からジャ○ーズショップへ直行する。彼女は心なしか嬉しそうだ。友達から仕入れた情報もまんざら嘘ではなかったらしい。彼によれば平成なんとかというグループのイノーという人が好みらしいのだが、全くなんのことかわからない。今は令和なのにまだ平成を謳歌している人がいるとは。なんのこっちゃ。談笑している間に店に着いた。なんじゃこりゃ。女子専用の店みたいだ。男子が1人もいない。あっけにとられている僕を置いて彼女は目をらんらんと輝かせて店の奥へ入っていく。といっても店自体はこじんまりとしているので興味のない僕にとっては一瞬で見終わる規模なのだが。彼女はじっくりと陳列されている商品を見ている。そういえば彼女がカバンにつけているストラップのマークがこの店の商品についている。ということはさりげなくジャ○ーズグッズを身につけていたということか。さすが友人、目ざとい。と感心している間に彼女とだいぶん距離が開いてしまった。彼女はおもむろに奥の棚からフォトブックのようなものを取り出し、ペラペラとめくった後、ニヤリとしながら1枚の写真を抜き取った。そこには前髪の長い、背のたかそうなイケメンがドアップで写っていた。この人がイノーという人か。ふむふむ。あーそれは敵いませんわ…。ジャ○ーズなめてました。すいません。
1人で色々考えていると急に彼女に肩を叩かれた。少し前に会計を済ませてきたらしい。何買ったの?と聞くが、秘密なのだそうだ。イノーくんかっこいいな、と呟くと顔を真っ赤にして、え?なんで私が伊野尾くん好きって知ってるの…?と慌てている。見てて最高なんですけど。可愛い。結局伊野尾くんグッズあったら買っといて、と頼まれてしまった。ええ買います。その顔が見れるなら何個でも買ってあげます!
その後、Hey!Sa※!JUMPとKis-M※-Ft2の違いがわからないとなんの悪気もなく言ったら笑顔で思いっきり蹴られた。彼女は基本はおとなしいのだがジャ○ーズの話となると人が変わる、ということを知った。これからは安易にジャ○ーズの話をするのは控えよう。
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作者名:チャルさん x他3人 | 作成日時:2020年3月30日 23時