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第3話 ページ19

歴史オタク、特に信長あたりかな?が好きな人にはたまらないかもしれない場所にやってきた。ここは金ヶ崎城跡。俗に言う「金ヶ崎崩れ」の舞台となった場所だ。知らない人のために説明しておこう。城のプロフィールを簡潔にめちゃくちゃかいつまんでまとめよう。信長がこの城を攻めきれずに負けかけ、退却時に秀吉(当時はサル)が必死で信長の命を守った、という信長よりも強い城なのである。越前守護朝倉さん、さすがです。今は城としての遺構はあまり残されていないものの、観光地のひとつとして山頂が整備されている。彼女に歴史や風景の解説をしながら山を登る。登山途中に見下ろせる市街地もきれいだが、山を登りきった瞬間に視界に海と山のコントラストが広がるのが最高だと僕は思う。じつはここ、以前に一人で下見に来ていたのだ。一人で登れば一瞬で終わるのだが、2人だと話が弾む弾む。なかなか山頂にたどり着けない。登山ってこんなに楽しいものなのかと八幡山のときと同じようなことを考えながら登っていく。やはり下見のときとは景色の見え方が違うように感じる。海きれいすぎでしょ。水平線すげぇ。としばし興奮する。山頂のベンチで休憩した後、向かった先はすぐ近くの線路。ここ一帯は廃線になっているので勝手に入っても「多分」怒られない。なかなか線路内に入る機会もないのでここぞとばかりに線路の上を歩く。彼女は自転車を降りない。「それはまずいでしょ、早く戻ってきな〜!」といわれ、しぶしぶながら線路を後にする。最後に向かったのは敦賀港。当然のことながら時間も遅いので閑散としている。今日も楽しかった、ありがとう、と唐突に言われ、頬が赤らむのが自分でもわかる。水面にキラキラと反射する光を僕たちは寄り添いながらいつまでも眺めていた。

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設定タグ:男主 , 長編 , 創作   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:チャルさん x他3人 | 作成日時:2020年3月30日 23時

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