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『っ...!』
今日は平気だったのに、急に頭が割れるような痛みに襲われ、床に足をついた。
潔「え?!Aちゃん!?」
皆がこっちを見たのが分かる。
「どうしたんすか?!」
飛雄の声だ。
「わからないけど、急に...。頭押さえてるから多分頭が...。Aちゃん、大丈夫?」
『っ、はい大丈ーーっつぅ...!!』
「!!A!!」
飛雄に名前を呼ばれたのを最後に、私は意識を手離した。
.
.
ーー闇の呼吸、一の型、闇夜の一撃
...
ーー闇の呼吸、肆の型、夕闇の舞
...
ーー闇の呼吸、拾一の型、暗香疎影
「A!!」
『富岡さん、こっちは終わり...』
「何言ってんだよ!気がついてんのか?!」
『ええ、私は...、』
白い天井と飛雄の顔が目に入った。
『あ、あれ...飛雄、ここは?』
「保健室だよ。ずっと言ってたヤミノコキュウって何だ?」
『え...?私、言ってた?』
飛雄は頷いた。
『んん、わかんない。夢の中のことだから。』
「夢?」
『あ、いや、何でもないの。私、もう大丈夫だから、部活戻って!』
「...先生が今、お前の親に電話して迎えに来てもらうって。」
もう痛くないから、お母さんも仕事忙しいだろうし、私からも電話して迎えは大丈夫だと伝えよう。
『うん...。あ、飛雄がここまで運んでくれたの?』
「ああ。」
『荷物も?』
コクリと飛雄。
『そっか、ありがとう。』
「別に...大したことねーよ。」
『ふふっ。ほら、バレーやりたいでしょ?体育館戻りな!』
飛雄は素直に踵を返した。そしてまた振り返って。
「ちゃ、ちゃんと休めよ!」
『うん、ありがと。』
ドアが優しく閉まって、私は携帯を取り出して迎えは大丈夫だと、飛雄に送ってもらえるからと嘘を付いて、母を安心させた。
もう日が沈みはじめている。
空がオレンジ色に染まっていた。
.
.
ああ、今日は迷惑をかけちゃったな。明日、とにかく謝らなければと思うけど、どんな顔して部に顔を出せばいいのかと、考えてしまう。
『はぁ...。』
日に日に強くなる頭痛も、変な夢もどうしたらいいのか。誰にも相談出来ないし、私にとっては変でも、たかが夢だし。頭痛も無い時は無いし。病院でも行った方がいいのかな。
しっかし、今日のは急にだったなー。
と思い返しながら歩いていると、またジワジワと頭痛がやってきた。
空も暗闇へと変わっていた。家まであと少しなのに。
『ん?』
後ろで足を擦る音が聞こえて、振り返ると人が突っ立っていた。
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マキ(プロフ) - 無気力なおバカさん» ありがとうございます!ちょっと今お休みしてますが時間できたらまた頑張ります!! (2020年5月23日 9時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです!!続きも気になる〜!続編頑張って下さい!!! (2020年5月11日 22時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - 美穂さん» ありがとうございます!めっちゃ頑張れますっ (2020年5月8日 19時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - とっても面白いです。更新頑張ってください! (2020年5月8日 12時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ナギさん» はっ!本当ですね。。。大変失礼致しました!指摘してくださってありがとうございます! (2020年5月6日 9時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マキ | 作成日時:2020年5月1日 19時