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「おい、花火見るぞ。」
『へ？え、ちょっと...！』
引かれた手とは反対の腕で、痛む脇腹を押さえる。
周りに建物がない、田んぼまで連れてこられた。
「ここなら見えるだろ。」
ふと、頬を触る。涙がいつの間にか引っ込んでいたのに気付く。
飛雄は私の手を握ったまま。
そして、花火が上がり始めた。
花が広がってから、遅れてパァンと音が響く。
赤、青、緑、金色と色も大きさも様々な花火が次々と上がっていく。
「たまに、俺ん家に飯食いに来いよ。」
『！』
飛雄の横顔が、花火の光でよく見えた。
また、たった1人の家族を失い、1人になってしまったと心のどこかで思ってた。
『ありがとう。』
母を亡くしてしまったことや、その理由を思うと胸に悲しみや悔しさが広がるが、
世界に対しての憎しみはないように感じた。
守りたいものがたくさんあるんだと、彼のお陰で気付けた。
綺麗なのはこの一瞬だけではないということ。
ーーこの景色だけを切り取って見てみれば、とても鬼がいる世とは思えませんよね。
あの頃は、継子もとらず、人とも距離を置き、守りたいと心から思えるものがなかった。
でも今は...。
『花火、見れて良かった。』
「...。」
『あげたお守り、ちゃんと持っててね。』
「ん？あ、ああ。」
そして、私は決意した。
春高予選が終わったら、部活を辞めようと。
.
.
部活を２日休んだ。
１日目は言われた通りに安静にし、
２日目はお館様が手配してくれたお陰で、遺体の無い、ご近所さんや一般の人の参加もない、限られた人のみであったが、葬儀をとり行うことが出来たのだった。
どうか、浮かばれますように。
この時代で必ず、鬼を滅します。
そう心に誓った。
(今日ゆうはんくいにこいよ。母さんもいいって言ってる)
と飛雄から連絡が来て、お言葉に甘えることにした。
『んんー！やっぱり飛雄ママのポークカレー最高です〜！』
「ふふっ。Aちゃん相変わらず本当に美味しそうに食べてくれるから作った甲斐があるわ。飛雄は黙々と食べるだけだし。」
飛「む...。」
飛雄を見ると例の笑いきれてない、怖い笑みでカレーを頬張っていた。
「ど、努力は認めるけど怖いわよ。」
『んふふふふふっ。』
「笑うな！！」
.
『ごちそう様でした。』
デザートにフルーツポンチも食べれて、幸せでした。
「Aちゃんなら毎日来てくれていいからね！」
心配してそう言ってくれるのが嬉しかった。
.
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マキ(プロフ) - 無気力なおバカさん» ありがとうございます！ちょっと今お休みしてますが時間できたらまた頑張ります！！ (2020年5月23日 9時) (
レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです!!続きも気になる〜！続編頑張って下さい!!! (2020年5月11日 22時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - 美穂さん» ありがとうございます！めっちゃ頑張れますっ (2020年5月8日 19時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - とっても面白いです。更新頑張ってください！ (2020年5月8日 12時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ナギさん» はっ！本当ですね。。。大変失礼致しました！指摘してくださってありがとうございます！ (2020年5月6日 9時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マキ | 作成日時：2020年5月1日 19時
