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『壱ノ型、闇夜の一撃...。』

私は膝をついた。

『うっ...うぅっ...』

涙が滴り落ちて、アスファルトが濡れる。

「あなたは...璃子さんなの?」

それはいつもの母の声だった。

『うっ...違うっ...Aだよ...っ』

「そう...。その刀...あなたが触れたらあなたがあなたでなくなってしまうような気がしてた。でも、そんなことなかったわね。」

口を抑えて嗚咽を堪え、蔵でのことを思い出す。

「今、日本には、私みたいなのが...鬼がたくさんいるの?」

たくさんと言っていいかわからなかったけど、喋れなくてただ頷いた。

「あなたは闘わなくちゃいけないの?」

頷く。

「どうか、生きてね。それで、璃子さんの分も幸せになってね。」

『そんなのっ...!!どうしたらいいかわかんないよ...。』

「あなたを...一人にしてしまうことになってごめんなさい。でも、あなたになら必ず周りに誰かいるから。周りに甘えなさいね。それと、あ...」

お母さんが、消えていく。

『お母さん...お母さんっ...』

完全に消失してしまった。
深淵が私を覗いている。
また私は世界を憎もうとしている。

「...人が来ます。手当てもありますし、ご自宅に移動しましょう。」


みちねに抱えられながら、家へ帰った。




.
.





血が付き、穴の空いた着物からラフな格好に着替え、薬を塗ってもらうと傷口が閉じた。

「内臓まで完全に修復されるまで1日2日かかりますので、しばらくは安静にしていてください。」

『ええ、ありがとう。冨岡さん、待ってて下さったんですよね。すみません...と、ありがとうございます。』

「いや...。」

『一人にしてもらえますか?』

そう言うと2人は顔を見合わせた。

み「また明日、来ますね。」

2人は静かに帰っていった。

途端にまた涙が溢れて、止まらない。

泣きながら、玄関の鍵を閉めに行った時だった。

ドアが勢いよく開いたのだ。

『!』

息を切らした飛雄がいた。

「どう、したんだよ...。」

『今日は、帰って。』

「帰らねぇ。」

『帰ってよ!!ーー!』

飛雄に腕を引かれ、抱き締められた。
びっくりして、涙が一瞬引っ込む。

「何があったか知らねぇけど、おばさん帰ってくるまでお前ん家にいる。だから帰れとか言うな。」

『もう...帰ってこないの。』

「は?」

『お母さん...死んじゃったの...っ...』

消えてしまった。



飛雄の胸を借りて、泣いて、泣いて、泣いた。




.

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マキ(プロフ) - 無気力なおバカさん» ありがとうございます!ちょっと今お休みしてますが時間できたらまた頑張ります!! (2020年5月23日 9時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです!!続きも気になる〜!続編頑張って下さい!!! (2020年5月11日 22時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - 美穂さん» ありがとうございます!めっちゃ頑張れますっ (2020年5月8日 19時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - とっても面白いです。更新頑張ってください! (2020年5月8日 12時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ナギさん» はっ!本当ですね。。。大変失礼致しました!指摘してくださってありがとうございます! (2020年5月6日 9時) (レス) id: 1bf06ece70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作成日時:2020年5月1日 19時

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