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「はぁ……ジョングク先輩カッコイイなぁ……。」
「うんうん、ジョングクカッコイイよね。オレの次に。」
「何言ってるんですか。ジョングク先輩が一番ですよ。」
「わぁ、よっぽど好きなんだねぇ。」
「そりゃぁ……って、うわっ！ 誰ですか……？」
知らないうちに誰かと会話していた自分にも驚くけれど、平然と入ってくるこの人にも驚いた。
にしし、と笑って「誰でしょーか」なんてクイズを出すその人は、さっき自分で言っていたように確かにカッコイイ。どこかの芸術品みたい。
まぁジョングク先輩の方がカッコイイけど。
「誰でしょうと聞かれても、知らないものは知らないです。」
「ひひっ、ホントにジョングク以外眼中に無いんだね！」
なんだか嬉しそうに笑うその人は、ふわふわの金髪を揺らし、ジーンズのポケットに手を突っ込んで私を覗き込む。
「ね、名前は？」
「人に名前を聞く前に名乗るのが礼儀だと思いますけど。」
嫌味っぽく言った私の言葉に、「たしかにっ！」と頷くこの人は、悪い人では無いのかもしれない。
「オレはテヒョン。ジョングクの友達だよ！」
「ジョングク先輩のお友達でしたか。これは失礼しました。私はAです。」
「あは、ジョングクの事になると急に態度変わるね。」
深々と頭を下げて挨拶すると上から降ってくる笑い声。
「ジョングク先輩からあまり好かれてはいないので、これ以上悪い印象にならないようにしないと。」
「あ、そういう認識はあるんだ。」
またもくすくす笑う、えっーと………テヒョン？ さん。
「なんかAちゃん、興味無さすぎてさっき言った俺の名前すら覚えて無さそうだね。」
「えっ、いや、そんな、」
「ふっ、ひひひ！ めちゃくちゃ顔に出てるよ(笑)」
ゆるい雰囲気をかもし出しているのに、意外とよく見ているテヒョン……さん(合ってるはず)に図星をつかれて、思わず言葉に詰まった。
「オレの事知らないとか面白い子だなー。」
「よく分かりませんけど、知らなくてすみません。」
「いーのいーの！Aちゃんはジョングクのことしか見えてないんだもんね？」
その通りだから「そうですね」と返せば、ずいっと近づいてくる芸術品。
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作者名：おちゃこ
| 作成日時：2023年2月24日 11時
