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「あっ！！ Aっ！！」
しばらく歩いたところで、さっき恋しくなった愛しい声が静かな街に響く。
驚いてキョロキョロ辺りを見渡すと、バタバタと走りよってくる見覚えしかないシルエット。
「……グク？」
あんなに急いでどうしたんだろう。
ものすごいスピードで私の元へやってきたグクは、その勢いのまま飛びついてきた。
「Aっ、良かった……いた………。はぁ……はぁ……、っ、焦った……、」
息を切らせて途切れ途切れに聞こえる言葉たち。
「探してたの？」
まだ肩で息をしながら、こくこくと頭だけで返事するグク。
抱きしめられるその腕の力は、ずっと強いまま。
「気付いたらAが部屋にいなくて……、はぁ、はぁ……、家中探したけど見つからないから……っ、だから、」
「それで外まで探しに来たんだ？」
「っ、はぁ………、そうだよ！ どこ行ってたの！？ 俺電話もしたよ！？」
ガバッと体を離したグクは顔をしかめて私の肩をグッと掴む。
「コンビニ。お菓子と雑誌買いに。電話は……あ、ホントだ。ごめん気づいてなかった……。」
私の持つ袋をちらりと確認し、グクはほっとしたように息を吐いた。
「でもなんでこんな時間に！？ 1人で外出たら危ないでしょ！？ しかもこんな薄着で！ 風邪ひくじゃん！」
「え、ごめん……。そんなに怒ると思わなかった。」
「彼女が危ないことしてたら怒るでしょ！？ だいたい、なんで1人で行ったの？！ 俺いるじゃん！」
ものすごく怒ってるグク。
悪いことしたかなぁ……。
でもね？
．
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作者名：おちゃこ
| 作成日時：2023年2月24日 11時
