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【YGside】
アーチを見上げて意外そうに「植物園……」とつぶやく声が聞こえる。
「なんか今世界で1番でかい花が咲くらしいから。」
「へぇ! どんな花なんですか?」
「見てのお楽しみ」
この後の反応を予想して、勝手に上がった口の端。
車にロックを掛けて入り口へと歩き出した。
「うわぁ!! 大きい……、くさっ!!」
思った通りの反応を見せる姿に笑いが込み上げてくる。
「私の鼻で遊ばないで下さいよ。」
「思った通りの反応で満足した。」
ほんと、期待を裏切らないやつだな。
これは何かと尋ねてくるから、俺の知ってることを答えて説明していたら、ふんふんと頷きながら俺の話を真剣にきいている。
時々打つ相槌も、ちゃんと話聞いて理解しようとしているのが分かって、俺もついあれもこれもと話をしていた。
「ユンギさん、物知りなんですね。」
ふと掛けられた言葉に、一瞬動きが止まってしまう。
"ユンギって物知りなのかもしれないけど、ちょっとつまらないね"
「………。いや、そうでもねぇよ。」
思い出された台詞が頭をよぎって、そう答えるのが精一杯だった。
「どうかしました?」
「……悪い、うるさかったよな。」
またやってしまった。
気をつけていたつもりだったんだけどな。
きょとんとして「うるさいとか言いましたっけ?」なんて言ってる顔から、思わず目を逸らした。
「いや、俺ばっか話してたろ。……んで聞きたくもない話ばっかだったろうし。つまんなかったよな。わりぃ……。」
「ユンギさん、つまらない話してたんですか?」
「や、俺がってか……、」
自分ではつまらなく無くても、相手がどう思うかが重要だろ。
なんて思っても、流石にそれは言えない。
「なんかよくわからないですけど、私つまらなく無かったですよ? ユンギさんの話面白かったですし、知らないこといっぱいあってなんだか私まで博識になった気分です。」
掛けてもないメガネを直す仕草でそう言って笑う。
……あぁ、こんなやつもいるんだな。
そう思うと自然と俺まで笑ってしまって。
「……そうか。なら良かったよ。」
「そうですとも。あ、あれ知ってますよ! 食虫植物ですよね? えっと、ウツ……ウツボ……、」
そんな俺の考えなんて気にもとめず、また植物へと関心が移る。
「……ははっ。………お前みたいなやつだったら上手くいってたのかもな。」
なんて、な。
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苺あめ(プロフ) - 久々に更新されて、とても嬉しく思います。彼女もユンギもお互い好き同士なのに…。このあとの展開が楽しみです。 (3月4日 14時) (レス) @page37 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃこ(プロフ) - 苺あめさん» 苺あめさんありがとうございます!本当に書くのに時間がかかっていて申し訳ないです…。最後までよろしくお願いします! (12月31日 8時) (レス) id: a878356dc1 (このIDを非表示/違反報告)
苺あめ(プロフ) - 毎回、楽しみにしています。彼女とユンギの関係、少しもどかしいけど…。最終的にどうなるのかな。うまく行ってほしいなって思いながら読んでます。こらからも楽しみにしているので頑張って下さい。 (12月31日 7時) (レス) @page37 id: 5d9efda2d0 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃこ(プロフ) - LunaLunaさん» お返事遅くなりました💦本当にちょっとずつですみません😅 (2023年2月8日 17時) (レス) id: 7b69a159a8 (このIDを非表示/違反報告)
LunaLuna(プロフ) - 更新されたをですね。楽しみにしています。 (2023年1月27日 20時) (レス) @page16 id: 49c14055f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おちゃこ | 作成日時:2022年5月20日 12時