あたためますか？ 【YG】

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………遅い。



時計の針は１時を通りすぎている。


まだ彼女は現れない。



いつもならもう俺の用意した弁当を食べ終わって帰っている頃だというのに。




俺の気持ちを伝えよう……なんてそんなものはとっくにどこかへ飛んでいって、なかなか帰ってこない彼女にソワソワと心が落ち着かない。






……まさか体調崩してんのか？

顔色が良くなってきたとはいえ、しっかり十分なほど食べているかと言えばそうではないだろうし、毎日日付が変わる頃までの激務におわれているようだし……、睡眠も足りてはいないだろう。


加えてこの寒さだ。

風邪をひいて動けずに寝込んでるなんてこともあるのかもしれない。



なんで俺は連絡先のひとつも聞いていないのか。


毎日来てくれるからそれが当たり前だなんて思い込んで…。







"居なくなってからじゃ遅いですよ？ヒョン。"


ジョングクの声が頭のなかでこだまする。




本当にそうだ。

彼女との繋がりなんてここしかなくて、彼女がここに来なければ俺は彼女に会うことすら儘ならなくて。

現に俺は今ここでただこうして待つことしか出来ないのだから。





「………A、早く来てくれよ…、頼むから…。」



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