あたためますか？ 【YG】

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好きなことで稼げるようになる、それってすげぇ有り難いことだけど、部屋にこもって作業ばかりしていると世間の感覚なんて忘れてしまいそうで。





夜のコンビニはいろんな人が来る。

人間は醜くて愛らしくて、汚くて綺麗で、それでいてズルくて純粋。

そんな人たちを眺めて、俺も世間のうちの一人なんだって思いながら、観察して俺のなかに取り込んで、また音に、歌にして吐き出して。そしてまた取り込んで。




だから俺はこの時間が結構好きだ。



けどさすがに忙しくなってきて、店長には悪いけど前の半分ほどしかシフトに入ることはしていない。



そろそろここも辞めねぇとか………。








ピロリロリーン♪




「らっしゃいませー。」



入店チャイムに合わせて声をかける。



平日の日付も変わってしばらくたった時間帯は、お客もまばらだ。


たまに訪れる客に気を配りながら、細かな作業や陳列、商品の期限の確認をして回る。





「…あの、すいません。お会計、いいですか？」


「あ、すいません、今行きます。」



気付かないうちにレジの前にいた人から声をかけられ、慌てて戻る。



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