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〜石切丸side〜
…この人の子は、一体何だ
さっき廊下を歩いていた時、丁度私たちが二人とも無意識に気を抜いたその一瞬の隙をついて彼女は猛烈なほどの殺気を放った
焦点が主に向いていたわけではない
だが、あまりにもタイミングが悪すぎた
狙ったとしか思えない
牽制の意味を含んだ努めて冷たい声色で声をかけると、先程までの殺気はどこへやら、すっかりその白い布の下になりを潜めてしまう
そして今
こんなにも大広間の刀たちは彼女に向かい敵意を向けているというのに、なんら気にした様子を見せない
ただでさえ人の子というだけで私たち付喪神の放つ神気は負荷があるだろう
それが負の神気であれば、そして神気に触れることに慣れていなければ卒倒してもおかしくないこの状況下で、なぜこの人の子は平気な様子なのか
白い布で彼女の表情はうかがえない
だが決して焦ったり動揺した様子が見受けられないのだ
それどころか
やや肩を震わせ、握った拳が指し示す感情は……歓喜、だろうか
想像を絶する彼女の様子があまりにも奇妙で、気味の悪さに顔をしかめた
紅葉「…改めて、今日から3か月の間この本丸で研修することになったAだ」
A「…A。よろしくお願いします」
先ほどと大差ない、簡潔な挨拶をする彼女に、大広間の全ての刀の視線が集まる
決して穏やかとは言えないその視線を受けてなお、やはり彼女は動じない
暫く沈黙が続く
それを破ったのは
一期「一つ、良いですかな」
一見穏やかそうな笑みを浮かべ、しかし腹の底には嵐に荒れた海のような衝動を抑えつつ挙手する彼に、漸く彼女の動揺が伝わった
…なぜ、このタイミングで？
彼女にとって害の無さそうなあの態度から、ここまで無反応であった彼女がなぜ警戒している？
そんな私の疑問を知ってか知らずか、主に促され一期さんは話し出す
一期「なぜ、この本丸へいらしたのでしょうか？」
A「……兄が、行けと言ったから、です」
一期「つまり貴方の意志でなく、あなた自身がこの本丸に対し目的はないと？」
A「…それを聞いて、どうするのですか」
一期「…失礼、出過ぎた真似を」
皆が気になっていた質問に対し、彼女ははぐらかした、と捉えるには十分な会話
はぐらかすということは、答えられないということ
答えられないということはつまり……
一層強まった警戒を感じながら、やはり受け入れるべきでなかったと過去を悔やんだ
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リーナ(プロフ) - ヤバい！めっっさ面白いです！！次の更新が待ち遠しいです！応援してます！ (1月16日 21時) (
レス) id: 3fc7d7acf0 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 更新をお待ちしてます (9月11日 6時) (レス) @page13 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
柏村蒼 - 橘…ユルセナイ…夢主ちゃんの復讐劇楽しみにしてます(内心、橘、おのれ、絶対ユルセナイからなと思ってます) (5月6日 0時) (レス) @page11 id: e9cb19fe0c (このIDを非表示/違反報告)
アイリ提督(プロフ) - りんごさん» 未だに占ツクにいる古のオタクたちは、もう私らだけよ……()一緒にオタクしような！！！！！！！！！！(?) (2023年4月8日 22時) (レス) id: e582e0bee5 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - こいさん» 見てくれてありがとうございます！！！！気が向いたらまた更新します(すぐしろ) (2023年4月4日 20時) (レス) id: feb5f43e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご
| 作成日時：2022年6月2日 23時
