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〜紅葉side〜
A「…そう思っているから成長しない」
紅葉「……は？」
A「確かに前の見習いがしたことは裏切りともいえる行為で、それによって傷ついた。でも、その本質は？本当に彼女が最上悪？……見えやすい、責めやすいところにばかり目を向けて、責任をそこにばかり押し付けて。ずっとそのままでいるつもりなら、救いようがない」
長谷部の額に青筋が浮かぶ
向けられていない俺でさえ冷や汗が滲むような殺気を真正面から受けてなお、彼女の様子に変わりはない
長谷部「主。…切り捨ててもいいですか？」
紅葉「……A。本丸の案内はこれで終わりだ。研修は明日から。今日はゆっくり休め。食事は部屋まで届けるから」
長谷場「っ、主！？」
A「…失礼します」
あり得ない、とでも言いたげだが、ぐっと飲みこんだ彼の横を悠々と通り抜けるA
そんな彼女の背を見送り、とても不服そうな長谷部をうまくなだめ、俺は一人、本丸の中央の階段を静かに上る
ひんやりとした空気に軽く身震いしながら、半年前の記憶の扉を開く
彼女……炎珠がこの本丸でしたことは何か
橘をこの本丸へ誘導したのは彼女で間違いない
それ故に俺たちは‘見習いを悪’とし続けてきたわけだが、逆にそれ以外の彼女はどうだった？
俺が留守の間本丸を任せてもいいと感じるくらいの彼女の人柄は？
俺たちが本丸を離れる前に、桜蝶姫を連れていけないか、なるべく早く戻ってきてほしい、と、必死に伝えてきたのは彼女だ
この本丸の緊急事態を、式神を使って俺たちに伝えてくれたのも彼女だ
……それでもやっぱり、この半年間募らせてきた嫌悪感というものは簡単には消えてくれなくて
紅葉「こんなとき、お前たちがいればな」
階段を登り切りたどり着いたこの本丸の天守閣の頂上
そこに並んで飾られた二振りの美しい太刀の前に腰を下ろす
いつも俺の意思を聞いて、違うことは違うと諭してくれ、俺を導いてくれたあの二振りに、今とても逢いたい
俺を助けてほしい
でも、こんなことすら一人で判断できない情けない俺を見られたくない気持ちも強くて
はたり、と握りしめた拳に一粒の雫が落ちる
久しく浮かべた彼らの顔を、声を、日常を想い、今までずっと蓋をしてきた気持ちがどっと溢れ出してくる
紅葉「三日月…さく、ら、桜蝶姫…っ！」
冷えたこの部屋に、ただ俺の静かな嗚咽だけが響いた
続く (更新停止中)
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リーナ(プロフ) - ヤバい！めっっさ面白いです！！次の更新が待ち遠しいです！応援してます！ (1月16日 21時) (
レス) id: 3fc7d7acf0 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 更新をお待ちしてます (9月11日 6時) (レス) @page13 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
柏村蒼 - 橘…ユルセナイ…夢主ちゃんの復讐劇楽しみにしてます(内心、橘、おのれ、絶対ユルセナイからなと思ってます) (5月6日 0時) (レス) @page11 id: e9cb19fe0c (このIDを非表示/違反報告)
アイリ提督(プロフ) - りんごさん» 未だに占ツクにいる古のオタクたちは、もう私らだけよ……()一緒にオタクしような！！！！！！！！！！(?) (2023年4月8日 22時) (レス) id: e582e0bee5 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - こいさん» 見てくれてありがとうございます！！！！気が向いたらまた更新します(すぐしろ) (2023年4月4日 20時) (レス) id: feb5f43e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご
| 作成日時：2022年6月2日 23時
