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〜燭台切side〜
何があったかは分からないけれど破壊寸前の状態で倒れていた九条君
僕には応急手当すらできないからすぐに主くんを呼ぼうと部屋を飛び出そうとした
その瞬間、ほんの一瞬だけズボンの裾を引かれる
燭台切「九条君……?」
A「や、めろ………呼ぶな………っご、………きぶ、なんて……っ!」
後半の方はよく聞き取れなかったが、主を呼んでくることを拒絶していることは分かった
でもこのまま放置するわけには行かない
僕たち刀は本体が折れない限り死にはしないけれど、きちんと手入れされるまでは痛みが持続する
こんなボロボロの状態で放っておいたら彼は終わらない痛みの中で苦しみ続けることになってしまう
燭台切「駄目。審神者を好きでないのは仕方がないかも知れないけれど、こんな状態の君を放ってはおけないよ」
そうとだけ言って今度こそ部屋を後にした
後ろで九条君が何か言った気もするが、それは後でまた聞けばいいだろう
薬研「ん?燭台切の旦那?如何した、そんなに急いで」
燭台切「薬研君!!っ、九条君が大変なんだ!主くんを呼んでくるからそれまで彼のこと見ててくれないかな!?」
薬研「何!?わ、分かった」
薬研君が九条君の部屋の方向へかけていくのを見送り、また走り出した
燭台切「主くん!!」
扇「ぶふぅぅぁあ!!」
走った勢いを殺すでもなく障子の存在を完全無視して突進した
いきなりのことに主は飲んでいたお茶を長谷部君の顔面に吹き付け、当の長谷部君はそれをまったく気にせずに僕を睨みつける
長谷部「燭台切!!貴様主の部屋の障子に何てことを!!」
燭台切「主!大変だ!!」
長谷部「障子の方が大変だ!!」
扇「いや俺が言うのも難だがお前が一番大変だぞ」
主くんは近くにあった手拭いで長谷部君の顔や髪を拭きながら、意識だけを僕の方に向ける
扇「んでどうした?今日提出の書類があるから出来るだけ手短に簡潔に頼む」
燭台切「っ、九条君が破壊寸前!!」
扇「待てごめん俺が悪かったちゃんと聞くから詳しく説明して」
良かった、聞いてくれないかと思った
手入れの道具をそろえる主くんに僕は九条君の部屋で見た彼の状態について出来るだけ事細かに伝えた
長谷部「だが何故だ?あいつはまだ戦場に出ていないだろう?どこで傷なんて……」
燭台切「いや、彼自身には傷はなかったんだ。ボロボロだったのは刀身だけ」
扇「っ、あの時か!!」
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凛音 - 勘違いして燭台切のことを聖徳太子だと思ってるのが面白いし、言っていることがめっちゃイタい (9月26日 16時) (レス) @page36 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
モシャア - イタい!イタい!でもめちゃくちゃ面白いです! (2021年9月20日 16時) (レス) id: f7eb6a98f0 (このIDを非表示/違反報告)
すやや - 見ているとぉぉぉ!!!恥ずかしくてニヤけちゃうっ!!でも続き見たい!! (2020年7月14日 6時) (レス) id: 392bac1abb (このIDを非表示/違反報告)
ネーム(プロフ) - やばい…見てると恥ずかしくなってくる(けど面白いから見ちゃう) (2020年3月14日 19時) (レス) id: 860ebe4669 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨ナナト - りんごさん» ゴキちゃん=主に笑いました。続編かこっちかどっちに書けばいいのかわからなかったのですが、こちらに書かせていただきました。これからも頑張ってください。 (2020年1月12日 22時) (レス) id: e95b77a21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2017年5月13日 20時