バレー部はメンドクサイ ページ9
ASide
私は翌朝学校に行くと、ある人に席を取られており、少し焦る。
「…国見、そこどいてよ。」
国見英が座っていた。大体お前6組だろう。
「…バレー、やめたの?」
またその話…
「まぁ、やめたけど。って、そうじゃなくて、どいてよ。」
国見は無視してこちらを見る。
「なんで?」
…
「怪我だって、言ってんじゃん。」
「へぇ、お前にとってのバレーって怪我でめげるようなものだったんだ。」
うざい。別にいいじゃん、私がどんな理由でやめようと。
「どうしたの国見、今日なんかメンドクサイよ」
「答えたくないんだ。」
あれ、私の声届いてる?
「…理由が怪我なら男バレ来なよ。」
「イヤだ。」
私ははっきりと目を見て言う。
すると国見は、考える仕草を見せる。
「…今度の休み、烏野と練習試合ある。」
「あっそ」
「応援に来てよ。」
「忙しい」
「嘘つけ帰宅部。」
来てくれるって言うならここどいてあげる、だって。
そもそも、そこ私の席ね。
…まぁでも、その場しのぎで、いいよとでも言っておくか。
「いいよ。」
そこでスマホのピロン、という音。
「録音したから。来てね。」
そう言って教室を出ていった。
…ほんっとメンドクサイ。
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作者名:ねお | 作成日時:2022年4月29日 19時