違和感 ページ8
及川徹Side
「は!?どゆこと!?」
「A〜ごめーん遅れたー…って、及川さん、岩泉さん!?」
色々問い詰めようと思ったとき、Aちゃんの友達が来た。
「こ、こんばんは…す、すいません…邪魔でしたか…?」
と、おずおずと言う友達にAは、
「ううん、ちょうど話し終わったとこ。帰ろ。」
「え、ちょ、Aちゃん!?!?」
「どゆことだよ!?」
彼女は笑いながらそのままの意味ですよ。と言って友達と歩いていった。
…なんか違和感。
「…岩ちゃん、なんかAちゃんおかしくない?」
俺は岩ちゃんを見る。
岩ちゃんも、
「お前と同意見は不本意だがたしかにな…」
と言う。
いつもなら、ちょっとそれどゆこと!?とか言ってるけど、それどころではない。
まずおかしいところは、Aちゃんが帰宅部だということ。
彼女はバレーに限らず、基本何でもそれなりにできる。
だから、何にも所属していないのがおかしかった。
2つめ、さっき行ったとおり、彼女は基本何でも、それなりに、できる。
でも、"それなり"とか"適当"とか言う言葉は彼女の嫌いとするものだった。
やるからには徹底させる、"全力"が彼女の座右の銘だったはず。
その彼女の口からでた先程の言葉、
『ほどほどでいいかな』
これは、衝撃的だった。
そして、
『嫌いなんですよ、バレー』
そんなはずがない。
中学は、誰よりも最後まで残って打ち込んで、男バレに混じって来たこともあった。
そこまで"全力"でしてきたバレーをそんな安々と、嫌いになれるはずがない。
…俺はその日あったAちゃんがAちゃんじゃない気がして、鳥肌が立った。
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作者名:ねお | 作成日時:2022年4月29日 19時